「平行」という言葉をご存知でしょうか。平面上の２直線は一般に一点で交わるのですが，平行な
場合は交点がなくなります。そうなると困ってしまうので（良い子のみなさんは、「何が？」って聞か
ないでね
）、平行な２直線は無限遠点という「仮想の点」で交わると考えます。
言い換えると、「宇宙のかなた」、そこにはブラックホールがあるのか「お花畑」があるのかは分か
りませんが、愛し合う二人のこころは、宇宙の果てで必ず結ばれる・・・・って。
アスペルハー症候群の方が、うまく話しているようでも、何となくうまくいっていないのは、この無限遠点
「会話の平行性」があるからです。たとえば、
妻：今日はなんだかご機嫌が悪そうね。
夫：ご機嫌は悪くないけど、君に言われるとイライラする。
妻：どうして？何かイヤなことがあったかなって、心配してるのよ。
夫：心配はいいけど、その機嫌が悪いって言い方、やめてくれないか。
妻：あなたとの会話って、いつもこう。もうイヤになっちゃう。
夫：イヤになってもいいけど、いつもキミが先手だよ。
つまり、妻は夫の顔色を読んで、「会社でイヤなことでもあったのか」と心配しているのですが、肝心
の夫が「気持ち」をうまく理解できないと、「ご機嫌が悪い」＝自分への攻撃と捉えてしまいます。
アスペルガー症候群の方の典型的な特徴「言葉どり」、つまり、気持ちが理解できないために、言葉で
相手の「言い分」を捉えようとして、「ご機嫌が悪い」というキーワードを捕まえてしまうのです。
せっかくの心遣いですが、この場合は逆効果になってしまうわけです。
これ以上に困るのが、高機能自閉症の方の場合です。言葉が苦手なので、妻の問いかけにも黙って
しまったり、家を出て行ったりします。
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Source: 週刊山手心理相談室
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