中国「秘密警察」日本での設立と活動の証拠写真を入手
いま、世界各国が、中国の公安機関の進出に神経を尖らせている。中国の地方政府の公安局が、海外に秘密警察の拠点(通称「海外派出所」)を設置するケースが続出しているのだ。
海外派出所は明確な国際条約違反だ。秘密警察の拠点では、在外中国人の免許更新などのほか、中国人留学生の監視、スパイ活動、さらには反体制派への脅迫やテロ予告などもおこなっていることが、米国FBIの調査などから明らかになってきた。日本国内にある南通市の海外派出所の代表者は、許剣(仮名)という。南通市出身である彼は、現在40代とみられ、過去に人民解放軍の民兵として長年勤務した経歴を持つ(現在も軍籍を残しているとの情報もある)。本人について知る、日本の東北地方在住の在日中国人はこう話す。関係者の一人はこう話す。〈「旧帝大の九州大学を筆頭とする九州の大学全体で、約1万人の中国人留学生がいる。彼らのうち優秀な人材に対する中国共産党への入党スカウトや、理系の先端技術を持つ人材のリストアップをおこなっていた」日本側の情報関係筋からは、このような証言もある。「駐福岡総領事館の監督のもと、九州地区の中国人留学生や在日中国人の言動を調査し、反体制的傾向があると判断した人物について報告しているとの情報を得ている」〉
(略)
中国による反体制派の脅迫は、日本国内でも観察されている。
〈「中国東北部の訛りのある言葉を話す、龍が描かれた黒いシャツを着た中年の男2人が、滋賀県草津市内にあった僕の家に来た。そして、『お前は中国の法を犯した』『逃げられると思うな』と恫喝してきた」
カナダのトロントでそう話すのは、中国人亡命者の肖彦鋭(28)だ。彼はかつて、反体制派のハクティビスト(ネット活動家)の集団「悪俗圏」のリーダーとして、習近平や娘の習明澤、腹心の栗戦書ら多数の党高官とその家族の個人情報を暴露するサイトを運営。結果、悪俗圏は2019年夏から徹底して弾圧され、サイトを閲覧しただけの未成年者を含む24人が逮捕された。
弾圧前、肖彦鋭は日本への亡命に成功した。だが、彼と並ぶリーダーだった牛騰宇(当時21)は、悪俗圏事件を主管する広東省茂名市の公安局により逮捕。激しい拷問を加えられた末に懲役14年の実刑判決を受け、現在も服役中だ〉
〈2021年、私は肖彦鋭らに取材し、『文藝春秋』(同年8月号)で事件の詳細を伝えた。すると、記事の公表から約20日後の7月30日、彼の自宅に黒シャツを着た謎の男たちが現れた。
当時、肖彦鋭は戸建ての賃貸住宅に住んでいた。謎の男の1人は付近の駐車場、もう1人は住宅の玄関付近に陣取り、盛んに写真を撮ったり電話を掛けたりしていたという。
(中略)
不思議なのは、黒シャツ男たちが肖彦鋭の自宅を突き止めた方法である。当時の彼は転居からほどなく、滋賀県在住の中国人を管轄する中国駐大阪総領事館ですら所在を把握できていなかった。
「当時、確実に僕の住所を知っていたのは留学先の大学くらい。とはいえ、一般の留学生が大学経由で僕の個人情報を知ることは不可能だ。中国人の教員か職員が、中国側の公安の捜査に協力して、僕の住所を差し出した可能性が高い」〉
ただ、これらはまだ序の口である。中国はドイツやオランダなどにいる反体制派に対し、さらにえげつない脅迫やテロ予告を頻繁におこなっている。
安田氏は実際に被害に遭った人々に直接取材し、中国政府が率先して違法行為を働いている証拠を掴んだ。
なかには欧州の海外派出所関係者とみられる人物による、日本の高級ホテルに対するテロ予告すらも判明した──。
――その詳細を伝えるレポート「中国『秘密警察』日本での非合法活動」は6月9日発売の「文藝春秋」7月号に全12ページにわたって掲載されている。(「 文藝春秋 電子版 」では6月8日に公開)。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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