サイロ

健康法

サイロ silo とは,牧場で 牛の餌となる牧草や穀物を保存するための巨大なタンクです. 配合飼料が普及した現在では あまり見かけることもなくなりました.

根室明治公園のサイロ

ところで 英語にSpecialty Silosという言葉があります. 直訳すると「専門性のサイロ」. これは 日本語では「タコツボ化した専門家」とでもいう意味でしょう. 専門家が自分の専門だけにこだわって,他の分野のことを無視・軽視する傾向のあることです.

大企業・お役所では,このSpecialty Silosは 日常茶飯事です.役所の申請などで たらい回しにされた経験がある人ならよくわかるでしょう.

ぞるばも現役時代には,しばしば 社内での部門間対立には悩まされました.

一例では,営業部門が製品を輸出して利益を出しても,財務部で為替リスクヘッジを担当する部署が,その利益を帳消しにするような行動をする(とみえる)からです.

円安になると,同じ製品でもドルから見れば大幅値下げしたことになるので,売れ行きは好調になり,(円でみた)利益はウハウハになります.そこで 営業担当者は更に将来の大規模商談を進めようとします.
一方これを為替リスクを減らすことを目的とした部門の担当者からみれば,もしも その商談が契約で確定した後に円高になったら,利益が吹き飛ぶどころか赤字になるかもしれません. なので,あえて将来の円を高く買う(ドルを安く売る)先物を手当しようとします.
これは 営業担当からみれば,せっかくの大儲けを わざわざ減らす行為にみえます. しかし,リスクを減らすという観点からは正しい行為です. 予想通りに円高になれば,リスクヘッジ担当者の勝ちであり,「ほうら 損失をリカバーできたでしょう?」となり,逆に円安がもっと進めば,「俺が稼いだ折角の利益をドブに捨てやがって!」と営業担当からドヤされることになります.

日本の大企業のオフィスで,異なる部門に所属する二人の日本人男性社員が 激しく言い争っている (C) Microsoft Designer

つまりこの二つの部門は,そもそも 本質的に対立する構造になっているのです.どちらも「会社のためにやっている」のですから,妥協の余地はなく,典型的なSpecialty Silosです.

医療分野でも

もちろん Specialty Silosは医療分野でも存在します.

昔は 大病院でも,内科・外科・皮膚科・眼科・小児科・産婦人科・耳鼻咽喉科 程度でした. しかし,現在では おもな大学病院の診療科を見ると こうなっています.

いやはや すごい数のサイロが並んでいます. もちろん大学病院は 高度な専門医に診てもらえる最後の拠り所ですから,こうなるのは当然です.しかし,これほど細分化してしまうと,二つや三つの持病をかかえているのが当たり前の高齢者が大病院を受診して 各診療科から「これくらいは 最低必要な投薬」を出されると,この記事のように;

『言いたい放題』
実家からの帰途,新幹線の中で読んだ雑誌です. (C) President よくみかける『健康常識に騙されるな』というテーマです.このテーマにすると売り上げが…

山のような薬を抱えて帰宅することになります.

こうなると,患者の側も 何もかも治療しようとするのではなく,自分自身で どれを治療し,どれを放置するかを決める覚悟が必要でしょうね.

  

  

Source: しらねのぞるばの暴言ブログ

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