ガンで、多発全身転移の、
70才代会社社長の男性患者さん。
大病院で、いろいろな検査や
手術や抗ガン剤治療や放射線治療や、
ありとあらゆる医療を受けてこられた。
大病院の先生らは、とうとう、
ワシに三行半を突きつけよったわ。
せんせいのとこへいけって。
さも恨めしそうに、タナカに話された。
その日からお付き合いが始まり、2週間。
幾度となくお電話がある。
頓服どない飲むんや?
嘔吐したけど、大丈夫か?
冷たいお茶よりぬるいお茶がええんか?
行きつけの小料理屋で、ワイフにご馳走したいねんけど、ええか?
大病院でのさらなる検査希望は頼んだら、あかんか?
主人が幻覚みたいなんが出てるけどどうしましょう?
友人が遠方からくるねんけど、コロナやし大丈夫?
飲み忘れたかどうかわからんくなった薬、いま飲んでもええやろか?
ワシはまだ生きれるか?!
などなど。
電話が幾度となくこの2週間にあった。
電話は、僕はかけてもらえることが実は嬉しくて、
ゆっくりおしゃべりを繰り返す。
昨日、大病院治療をたくさん受け医療が傍にあったはずの彼が言った。
せんせい、
あんたと出逢って感じたことがあるんや。
それはな、グッと医療が身近になった!
そういうことや。ありがとうな。
これからも頼むわな。
おしゃべりなタナカも、
なかなか役に立つやんと、
嬉しかった。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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