年末年始の緊急患者のヒキ 引く人・引かない人

医師やっているとあるあるなのだが、患者を引く人引かない人。

単純なルーチンのみで良いような患者から、緊急対応が必要な患者、いろんなレベルの患者がいる訳だが、そのヒキってものがある。

年末年始のヒキ

明けて大分たったけど、とりあえず年末年始のヒキがなかなかだった。

その➀ 超重症患者

年末の病院最終営業日に、超ド級患者が来た。生きているのが不思議なくらいのデータをしている、目が見えなくなった患者。とりあえず命最優先なので他科医師相談の上、他科へ入院させた。

その② 看取り

たまに行っている内科の緩いバイトだが、いつもの2倍以上の患者を診た。いつもは時間的余裕があるのに、その日はほぼ休みなしで終了。インフル祭り。その上最後の患者はお看取りという締めだった。

その➂ 謹賀新年

大晦日が当直だったのだが、新年明ける30分くらい前にコール。新年あけまして一体こんな時間にどうしたってんだい。就寝は2時過ぎ。

その➃ 酩酊

街中、目の前で酔っ払い疑いが、バランス崩して思いっきり後ろに倒れて後頭部を強打した。眼鏡がすこーんと外れてふっとんだ。外傷は軽度、意識もばっちり神経症状も皆無、(酔っ払い)仲間がたくさんいたのでとりあえず軽く病院受診を勧め、去った。

その➄ 緊急患者

年明け営業から緊急患者が毎日のようにやってくる。当日緊急入院の上、当日緊急手術や翌日緊急手術。年末にはけた患者が一気に増えた。

などなど。(まだある。)

普段のヒキももちろん波があるが、今回の年末年始はお見事なヒキだった。

医師は患者を選べない

ヒキに関して言えば、この事情がある。

クレーマーなどあまり診たくない患者はそれとない方法で遠ざけていくことは可能だが、初診ではどんな患者が来るか分からないし、基本的に一度は対応しないといけない。

そういう意味で、医師は患者を選べない。

自分に手に負えない患者であれば、他の医師に相談したり、他病院へ送ることはあるが、初診で診た患者を治療するに辺り、特に理由がなければ自分で診ていくことになる。

疾患の重い軽いに関しても偏るし、患者のキャラクターも選べない。

理解が乏しかったり、同じ話を延々としている疲れる患者に対しても、治療が必要であり治療を希望すれば、基本は自分で診て対応していくしかない。

患者は医師を選べない

逆も然りである。

医師が一人体制の診療所やクリニックを除けば、受診したところの病院で誰が担当医となるかは、運だ。

専門病院での治療が必要と判断され転院すればまた担当医も変わるし、入院中にどの医師が担当医になるか、どの研修医が付くかなども、運である。

よっぽどのことがあり担当医変更の希望を訴えれば不可能ではないが、特になければその医師との関係が続く。

互いが思いやりを忘れずに

医師と患者の出会いは、お互いに「運」要素が大きい。

合う合わないは勿論あって仕方ないことだが、不信感のある中で医療を提供するのも受けるのも、辛いだけである。

医療の提供・享受以外に見返りを求めるのは違うが、互いが互いを思いやれる関係・感謝し合える関係であれば、お互いの満足度は高いと思う。

勿論日常の中から言えることだが、こういったちょっとした気持ちを忘れずにしていきたい。

Source: 医者物語

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