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◯ 3/5(金)HSPインスタレッスン
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夜の8時半を回ろうとしている頃
可愛い人がお店にいらした。
ロングヘア
20代後半の女性。
こちらを振り返り
ペコペコ満面の笑顔で
会釈をしている。
私が売り場に出て
商品を整えていると
話掛けてに来てくれた。
「こんばんは」
たまに来店されるその人は
今日も存在感から可愛らしい。
私も嬉しくて
「こんばんは」と
満面の笑顔になってしまう。
笑顔は伝染するものだ、と
接客業なのに
お客様から教えられることは
たくさんある。
すると彼女はこう言った。
「明日、引っ越しするんです」
「えー!!」
でも、そのあとすぐに
イメージが湧いた。
ああそうか、きっと彼と一緒に
暮らすのだろう、と。
「今、彼も来てて。
ちょっとトイレをお借りしていますけど
実は、横浜で同棲するんです。」
「そうでしたか!」
寂しさと
嬉しさがミックスして
今夜が最後なんだな、と覚った。
カップルは、数ヶ月に一度
仲良く二人でお店に来てくれた。
初めて来店された時
ご陽気な彼のおしゃべりに
私は思わず耳を傾けてしまったのだった。
「わっ!おにぎり
めっちゃキレイに並んでる!やばくない?
他のコンビニじゃ見たことないよ!」
「ほんとだ〜、すごいキレイだね」
そんな二人の会話が嬉しくて
たまらなかった。
なぜなら?
おにぎりを並べたのは
この私だったからだ!
陳列なんて
どんなに綺麗にやったって
別に誰も褒めてはくれない。
並んでいれば
お客様はただそれを
カゴに入れてゆくし
その都度整え
商品がなくなったらおしまい
ガラガラだと
「何もないね」と言われる。
そのまんま、あるか、ないか
それだけだ。
でも、この二人は
品出ししたばかりのおにぎりに
「キレイだね!」と
それはそれは、笑顔で言ってくれた。
それが
すごく嬉しかったのだった。
それからというもの
私はおにぎりを並べるとき
いっそう精を出すようになった。
誰に褒められなくても
これからは
二人のことを想って並べよう、と。
カップルは始終楽しげで
ドリンクを見ては
「これうまいんだよな〜」
スイーツを見ては
「わ、これ可愛いね」
と、小さく控えめに
でもくっきりと
キラキラとしていて
この二人いいなぁ、と思った。
フレンドリーな接客がしたい私は
うずうずと、声をかけずにいられなくて
「こんばんは、
…あの、さっきは、おにぎり褒めて下さって
ありがとうございます。
実はあれ、私が並べたんです。」と
話しかけてみた。
こんな時は
思い切って一歩踏み込むけれど
心臓はだいぶドキドキしている。
あ、余計なこと言っちゃったかも!?
と、一瞬血の気が引きそうになるのだが
すぐその後に
「え、そうなんすか!お姉さんが並べたんですか!
めちゃめちゃキレイで二人で感動してたんですよ!」と
とても軽快に、応えてくれたのだった。
それからというもの
カップルはたまにお店にきては
おにぎり売り場を見るのを
楽しみしてくれて
でもまだ、商品が納品されていない時には
「あ、お姉さん、今日はまだおにぎり来ないんですね!」
と笑い
夢中で並べている時には
「今日もやっぱり、キレイにやってますね!」
と声をかけてくれ
時間があり
他の商品も整えていると
「お姉さんが並べたんだなってすぐにわかりますよ!」と
おにぎり以外も褒めてくれることがあった。
「ほんと、コンビニの中で
ここが一番キレイに並んでます!」と。
いつも私の方が、元気をもらっていた。
カップルは
カフェオレやスイーツを買うことが多く
二人で嬉しそうにお店を後にする
その後ろ姿を見送るのが、とても好きだった。
彼女はお店の近所に住んでいて
彼は横浜の人だと聞いた。
だから、夜にお店に来るのは
いつも彼が「これから帰る」その前の
寄り道タイムだったようだ。
駐車場に止めた
かっこいい白い車に戻る二人を見て
彼女が寂しくありませんように
彼が明日も元気に働けますように
なんて、勝手にお祈りしていた。
彼女がお店に一人で来ることは
あまりなく
彼と一緒の時には
朗らかにお喋りしてくれたから
もしかしたら一人だと
ちょっと来づらいのかな
ドキドキしちゃうのかもな
なんて勝手なイメージを膨らませ
自分本位な妄想だなぁと、
苦笑いしたものだった。
ただただ
彼女が彼と離れた時間も
幸せであることを願い
二人の笑顔を想った。
「今日はお姉さんに挨拶したくて」
どうやらお昼も
二人で店の様子を
見に来てくれていたらしく
「いないね、出勤、夜なのかもね」と
この時間にわざわざ
出直してくれたそうだ。
「外から見たら「いた!」ってなって。笑
よし!って二人でお店に入りました。
すごいタイミングです!笑」と。
彼もトイレから戻り
私がいるレジに来てくれた。
「私たち、4月に入籍します、
彼と明日から一緒に暮らします。」
潤んだ彼女の瞳が
真っ直ぐに私を見て伝えてくれた。
その姿に
私がときめいてしまった。
「あぁ!そうでしたか!それはそれは!
おめでとうございます!」
ああ、
本当に、よかった
そして、もうこのお店には
来なくなってしまうのだな、
という事実を同時に理解し
とても寂しかった。
私は、また来てくださいね、と
言えなかった。
横浜で新しい生活を始める二人が
幸せならそれでいい。
わざわざここまで
戻って来ることなんて
そうそうないだろう
だからこそ、今夜はこうして
挨拶に来てくれたのだ。
だから私は
「ああ!もう、良かったですね!
本当に、良かったですね!おめでとうございます!!」
そればかりを口にしたように思う。
「ここのおにぎりは本当に
どこのコンビニよりキレイでした。
ずっと忘れません、だから、
ありがとうございました。それを言いたくて…
本当に、お世話になりました。」
「そんな、こちらこそありがとうございます。
おにぎりを並べるの、
お二人のお陰で一層楽しくなりました!」
たかが100円、200円の
商品を並べることが
誰かと誰かのハートを
繋ぐことがあるなんて…
胸の奥がギュッとなる。
こんな気持ちに
してもらえるなんて…
これからも、目の前の仕事に
心を込めるしかないじゃないか。
大好きな二人が
明日の朝には出発する。
嬉しくて、寂しくて
嬉しくて、寂しくて
「どうかお元気で、末長くお幸せに。」
精一杯の想いを込めて、伝えた。
そして
「これからも、おにぎりを出す時は
二人のことを想って本気で並べます!」とも。
すると
「私たちも、どこかでおにぎりを見かけるたび
きっと、お姉さんを思い出します。」
そんなことを言ってくれたのだった。
二人の後ろ姿をレジから見送った。
自動ドアをくぐり抜けるまで…
しばらくしてからハッとした。
私は、二人の最後の買い物が
何だったのか?
全然覚えていなかったのだ。
控えめながも
くっきりと優しい二人の笑顔
それを忘れたくなくて
懸命に見つめていたから…
また来てくださいね、って
言えなかったけど
二人が仲良く手を繋ぐ
おじいちゃん、おばあちゃんに
なったところを想像した。
あの二人は
それを叶えてくれたらいいな、って
また一人
勝手な想像を膨らませて。
22時過ぎに
退勤して外に出ると
夜空は春の匂いがして
体が少し、宙に浮いた気がした。
この街には、
小さな輝きが散りばめられている。
星が瞬く2月末の夜だった。
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Source: HSP片付けブロガーの「生きづらさ」が消える片付け
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