乳がんになってから、
「あの人はどうしているだろう...」
と、思うことが増えた
たとえば、同じ病室に入院していたひと...
患者会で
たった1度きり会っただけのひと...
いつも患者会に来ていたのに、
来なくなってしまったひと...
乳がんの手術を終えて数か月後
お腹にホルモン薬のデポ注を打つため、
4週間に1度、
外科外来へ通っているときのこと
私は治療を終え、精算窓口へ向かった
そのとき、
精算ロビーの椅子に腰かけていた、
30代後半くらいの一人の女性に目が留まった
事務服を着ていたところを見ると、
仕事の途中か、退社後か...
目が留まった理由は、
彼女が目を真っ赤にし、
一生懸命ハンカチで涙を拭っていたからだ
「私がお腹に注射を打っている隣の診察室で、
がん告知を受けていた女性だ」
と、ピンときた
おそらく彼女も乳がんだろうか...
その後、外来で一度だけ、
彼女を見かけたことがある
抗がん剤で髪が抜けているらしく、
帽子を被り、
歩きながら、
風でひらっとはだけたカーディガンの胸元を
さっと隠すように直した
その姿が凛として、
力強くて、
あのとき目を真っ赤にして泣いていた彼女とは
まるで別人だった
“がんと闘う”って、ひとを強くする
強くなければ、
闘っていけないからかもしれない
彼女を見て、そう感じた
あのとき泣いていた彼女は、
もうそこにはいないなかった
告知後に、悩み、迷い...
が、治療に進みはじめると、心も進んでゆく
それはきっと、
誰もが通ってきた道
あのときの自分と今の自分は、
確実に違っているはずだ
そんな彼女の凛とした姿に、
安堵と、
少しの嫉妬が入り混じっていた――
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Source: りかこの乳がん体験記
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