卵子凍結。

「もう子どもは産めません」――

覚悟をしていたこととは言え、
主治医のその言葉はやはり衝撃的だった

「このままじゃ着床はしても、子どもが育たない」

と、産婦人科で診断を受け、
大きな子宮筋腫を数個摘出したのは、
乳がんがわかる半年前

そしてその後、
4年8か月放置していた乳房の良性腫瘍が、
がんだとわかる

“治療をはじめれば、子どもは産めない”――

子どもを産むための選択肢は2つ

ひとつは、
“乳がん治療を拒否すること”

そしてもうひとつは、“卵子凍結”――

が、如何せん、私は結婚をしていなかった

乳がん治療をせずに子どもをつくることも、
妊娠の可能性がどれほどあるかわからない

“卵子凍結”という手段もあったが、
それはあまりにも費用がかかりすぎた

しかもこんな地方に、
取り組んでいる医療機関があるかどうか...

そして私は、自分の命を最優先したわけだ

なんとも美談にもならない話である

昔は諦めざるを得なかったであろう、
がん罹患者の出産

若年性のがんも増えつつある今、
妊孕性は新たな光だ

未来に希望がつながると、
夢も叶えられる

がんだって、やりたいことはある

諦めるだけががんじゃない

私は、自分が病気になるとしたら、
“婦人科の病気”だと思っていた

それはたぶん、
あまり婦人科系が強くなかったから

だからなんとなく、ただ漠然と、
そんな不安を抱いていたのだと思う

そして、子宮筋腫がわかる

「やっぱり...」

という思いと同時に、

「これが
 以前から不安に思っていた“婦人科の病気”だとしたら、
 私は今後、子どもも産めるし、心配はない」

そう安堵した

なのに、まさか、
“婦人科の病気”ではなく、

“乳がんの治療”で子どもが産めなくなるなんて
考えたてみたこともなかった

女の子は...

女性は、
いつか産むであろう子どものことを考える

女の子なのだろうか

それとも男の子...

どんな名前がいいだろうか

もし女の子が生まれたら、
こんな服を着せて、

少し大きくなったら、
一緒にお菓子をつくって...

...そんな夢は、無残に砕け散った

昔であれば、きっと、
子どもが産めないことを非難されただろう

今は生き方も多様化している

それだけが救いだ

  母に孫を抱かせてあげられなかったことが、
  申し訳なく思う

  最後の最後まで、親不孝な娘であった

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Source: りかこの乳がん体験記

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