神の詩 第二章第十一節 2

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神の詩 第二章第十一節

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続きです。

スリー・クリシュナ
「汝は悲しむ必要のない人々について、悲しんでいる。しかも、汝はもっともらしいことを
言っている。賢者は生者のためにも死者のためにも悲しまない。(十一)」
本当の叡智というものは、
誤用されないまでに霊性を高めてからでなければ
開示されない
ことを意味しています。

クリシュナは、
アルジュナには叡智を開示しました。

でも
人徳のあるユディシティラにも、
勇猛果敢なビーマにも
開示されませんでした。

霊性進化の道を辿る途中で、
さまざまな現象が起きたり、
さまざまな能力が付与されることがあります。

多くの人が聖者の持つ特殊な能力、
例えば、
千里眼(天眼通)や天耳通(てんにつう)、神足通(幽体離脱や瞬時に他の場所へ移動する能力)、他心通(他人の心を読み取る能力)、宿命通(過去世を知る能力)、死生智(様々な次元世界とつながることのできる能力)、漏尽通(聖者だけが持つ特殊能力)
などの能力を欲しいと思うでしょう。

でも
それ自体
エゴ以外の何物でもありません。

もしかしたら、
それを人のために役立てたいから
という名目があるかもしれませんが、
この名目も
根底にはエゴと宇宙の叡智を無視した欲求があるのではないでしょうか。

これらの能力は修得するものではなく、
心が静謐に満たされて無執着になった時に
自然と身につくべきものであるとされています。

「ヨーガ・スートラ」のパタンジャリ大師は、
五感を超えた超知覚の発達は
心の集中を助けることを述べているものの、
これらの能力は
ヨーガの道をすすむ上で身につく副産物のようなものであり、
サマーディにとっては障害となる
と注意を促しています。

禅においても、
これらの能力の獲得を目的とすることは、
大悟の妨げになると戒めています。

「ヨーガ・ヴァーシシュタ」には、
何故聖者は空を飛ぶ能力を持ちながらも、
空を飛ばないのか
という質問を受けて、
次のように答えています。

「ただ欲望に満ちた者だけが、
そのような能力を求める。
賢者はそのような欲望には関わることはない。
真我の智慧が最大の恩恵であり、
それを得た賢者がそれ以外のものを望むことはない。
至高の真我に達した者にとって、
そのような能力は意味がない。」

サクラの花も時期になれば綺麗に開花しますが、
それを
冬に無理やり温室に入れて咲かせても、
サクラの木自体にいいことは何もありません。
巷では
チャクラを開く方法や五感を越える特定のエネルギーポイントに関する技法など、
様々な情報が出回っていますが、
その背後にある最も大切なプロセスと心の在り方を無視して、
無理に技法を推し進めることに弊害が生じる可能性は
念頭において頂いた方がよいと思います。

私も、
ある時瞑想中に
周囲の人たちがグルデヴァと呼ぶ光り輝く存在にお会いして
千里眼を経験させていただいたことがあります。

驚くことにその光りの存在はよく見ると、
光り輝いたままでしたが、
チビでデブのヒゲを生やしたおじさんの姿をしてくれました。

私はそれまで
光り輝く人たちは、
皆背が高く容姿端麗だとイメージしていたので、
ちょっとした驚きと発見でした。

きっと
見た目で物事を判断するな
というメッセージなのかも知れません。

それはともかく、
私が見せていただいた世界は、
すべてが半透明に見え、
2km先に流れる清流の川底の石までもがクリアに見ることができ、
さらに
遥か遠くに流れる川の川底の石の裏側にいる虫までもが見えました。

さらに
その虫も拡大したり、
その虫自体に同化したり出来たのです。

未熟な段階では
あまり個人的な内的体験を喧伝することは許されないのですが、
このような経験をすると
いままでの世界観が全く違ったものになるのです。

今まで見てきた世俗的な考えが陳腐なものに感じ、
もっと崇高な世界を知りたいという気持ちが高まります。

クリシュナが叡智を授け始めた時のクリシュナは、
ちょうど世俗的な欲求や執着、狭義の愛を求める一方で、
解脱という崇高な霊的進化も求めていて、
その狭間にいた状態でした。

それが
両軍の間に立ったということです。

生まれ育った頃から親しんだ友人知人たちとの世俗的な快楽や愛着が悪いとする一方で、
一人でその誘惑を滅する勇気があと一歩足りない。
でも
霊性を高めたいという欲求は
心の深い所からやってきている。

アルジュナにとって
クリシュナが叡智を授け始めたタイミングは、
喩えてみると、
ちょうど美しく神々しい雪山に登りたい憧れが強いものの、
一人では躊躇してしまう時に、
ガイドが現れたようなものです。

次は

「私も、汝も、これらの王子達も、過去に存在していなかったことはない。我々が今後
存在しなくなることもない。(十二)」

よく内観してみてください。

そして
人に説明できるほどに理解しておいてください。

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Source: ひかたま(光の魂たち)

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