神の詩 第三章第五節

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神の詩 第三章第五節

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「誰もがブラクリティ(原物質)から生まれたグナ(要素)に否応なく行動させられているので、一瞬といえども行動しないでいられる者はいない。(五)」

まず、
用語について意味を確認しておきましょう。

「ブラクリティ」は、
サーンキャ哲学で物質世界の根源的物質、
または物質原理を意味していますが、
根本原質と訳されることが多いです。

サーンキャ哲学では、
この世界は、
純粋な精神原理であるプルシャ

物質原理であるプラクリティ
の二系統で成り立っていると説明されます。

「グナ」は、
サンスクリット語で
性質または属性
という意味があります。

一般的には三種のグナに分類されることが多く、

三つのグナとは、

サトヴァ(善性・純性)
ラジャス(激性)
タマス(鈍性)

の三性質があります。
ここでは
人は肉体のみならず、
魂の性質が常に活動的なものであることを語っています。

それは
一瞬たりとも休むことのないものであるので、
カルマは常に生成され続けています。

宇宙の法則である善因善果、悪因悪果からは
逃れることは出来ません。

真我に向かって善い行動に専念すれば、
善因善果となります。

善因の積み重ねは、
魂を浄化していきます。

「ヨーガ・スートラ」第二章16節にも
「未来の苦(負のカルマ)は、回避することが出来る。」
と明記されています。

幻想世界マーヤに取り込まれて欲望を動機に行動すれば
悪因悪果
となります。

最初のうちは、
子供のような欲望による無明な行為ですが、
欲望がエスカレートすれば
邪悪へと変化していきます。

無明と邪悪は違うもので、
当然
邪悪の方が悪因は大きなものとなります。

悪因の積み重ねは、
魂に物質的な性質を薫習させるために、
穢れを付着させていくことになります。

仏陀は、
悪因となるものを
大きく十の行為から離れるよう
警告しています。

身(身体によるもの):殺生、盗み、邪淫
口(言葉によるもの):嘘をつく、二枚舌、悪口、有害な噂話
意(心によるもの):貪欲、他者に有害な思想、邪見
もう一度言いますが、
行動とは、
思い・言葉・行動のすべて
を指します。

腕に蚊が止まり血を吸い始めた時に、
心で蚊を潰す思いを持ったとします。

それはすでに、
実際に蚊を潰した行動と同じように
遂行されたことになります。

多くの人が
思考の力を
過小評価しているようです。

真我に向かい善行を行う場合、
動機が
「人のために自分を役立たせる」
というものであれば、
それが
社会的規範に従わない行為だとしても、
行為者に悪因とはなりませんし、
宗教的な儀式を形式的に完璧にこなしていても、
そこに真我に向かう心が全く無ければ、
意味のない行為となってしまいます。

「自分のものを失うことへの恐怖と不安、結果として心の中に残り、新たな切望を引き起こす執着、心を支配する三つのグナの絶えざる相克・・・・これらを達見する時に、識別在る者にとっては実はあらゆるものが苦である。」第二章15
さらに、
パタンジャリ大師は
この地上での「苦」の原因について
明確に述べています。

「避けることが出来る苦の原因は、見るもの(プルシャ)と見られるもの(プラクリティ)の結合である。」ヨーガ・スートラ第二章17

スリ・ユクテスワ大師は、
苦の原因は、
無知・利己心・愛着・嫌悪・物質偏重主義
という五つの心の病により
利己的な行動に起因すると述べています。

光の魂たち 動物編 人の霊性進化を助ける動物たち
森井啓二
きれい・ねっと
2020-06-21


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Source: ひかたま(光の魂たち)

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