年始雑感

内科医

 新しい年が明けました.

 年末年始は,私たち夫婦と東京の次女夫婦に娘の義母も加わって,ハワイはホノルルで賑やかに過ごしました.ハワイは,はるか昔のハネムーンを含めて4回目ですが,いつ訪れても変わらぬ抜けるような青空,どこまでも澄んだ美しい海,一年を通して優しく穏やかな気候が身も心もリフレッシュさせてくれます.

 ホノルルの中心地やワイキキビーチは世界中からの観光客で終日多くの人で賑わっているのですが,いくら人が多くても,不思議と東京や大阪のようにごった返しているという感じがしない.ここだけはまるで浮世と隔絶された世界のように時間がゆったりと流れているようで,人々の表情は誰しもが明るく,穏やかなのです.

 訪れる人誰もが,日常の喧騒を忘れて身も心も癒され,気持ちも優しくなれる,これこそが,ハワイが万人を引きつけてやまない所以なのだと思います.

 新年は,世界中の多くの人々とともにワイキキビーチに集まって,華やかな打ち上げ花火を眺めながら楽しくカウトダウンで迎えることが出来,大袈裟ではありますが,平和とはこういうことなのだと思いました.

 さて,今年はいよいよ平成最後の年,我が国は新たな時代に入ります.

 平成の30年,東西冷戦が終結し,急速なグローバリズムの拡大,そしてITの進歩に代表される驚異的な技術革新が起こりましたが,その負の側面として現れた自国第一主義,極右の台頭,経済格差の拡大,テロリズムの頻発,米中の覇権争い,など,一歩間違えれば第三次世界大戦にも繋がりかねないような不穏な空気が産み出されてしまっています.

 我が国も戦後の奇跡的な復興と高度成長期が終わって長い停滞期にはいり,貧困や格差,教育,社会保障,安全保障などの課題が山積の上,地震や災害が頻発しています.
ここ数年景気が回復してきたとはいえ,世界情勢とも相まって殆どの国民が自分の将来に先の見えない不安を抱えていることは否めません.

 医療の世界では,医療技術の驚異的な進歩は多くの疾病を克服し平均寿命を延伸しましたが,国家財政をおびやかしかねないほどの社会保障費の急増,少子高齢化や核家族化による介護の問題,終末期医療など,これまた待ったなしの課題が山積です.

 これからの時代,人間にとって本当の豊かさや平和とはどういうことなのか,いま一度真剣に考えること,そしてそれらは決して自然に与えられるものではなく,世界中の皆が知恵を絞って作り出していくのだということを一人一人が肝に命じることが何よりも必要なのだと思います.


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Source: Dr.OHKADO’s Blog

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