直腸脱に骨盤底筋体操は有用か〜「肛門疾患・直腸脱ガイドライン」から〜

内科医

直腸脱にバイオフィードバックや骨盤底筋体操は有用か?

※骨盤底筋体操:お尻周りの筋肉を締めたり緩めたりする運動。尿失禁などで有名かと思います😉
※バイオフィードバック:数値を見ながら自分がうまくお尻の筋肉を動かせているか確認していくトレーニングみたいなもの

ちなみに
「直腸脱」とは、「お尻から腸が出てきてしまう」タイプの疾患です🌟

いぼ痔と混同されやすいですが、見る人が見れば一発でわかります👌
ただし、外来ではいぼ痔しか見えなくても実は直腸脱を隠し持ってるケースもあるので、こんなときは先日アップした「肛門の自撮り」がとても有効😉
いぼ痔の一歩先の粘膜脱、その先に直腸脱があるというイメージです🍑

前置きが長くなりましたが、
ガイドライン上(医師が診療を行う際に参考にする指針みたいなもの)は
「脱出改善の有効性に関する報告がほとんどなく、現時点では有用とはいえない」
推奨度3(行わないことを提案する(弱く推奨する))
エビデンスの強さD(とても弱い)  です。

排便障害(最後の最後でうまく力を入れたり抜いたりできず排便できない)や便失禁、骨盤底臓器脱に関してはバイオフィードバックや骨盤底筋体操の有効性を論じた報告は散見されるが、直腸脱そのものに関してはほとんどそのような報告はないようです。

なので、便漏れには効くかもしれないのですが、腸が出てきてしまう方には効果が望めない可能性が高いということです⤵️

ただし、骨盤底筋体操もバイオフィードバックもそれ自体は安全で合併症がみられないので、「行わないことを強く推奨する:推奨度4」にする必要はなく推奨度3になっているとの記載です😅

もちろん直腸脱症例の60〜80%に便失禁を合併したり、子宮や膀胱などの脱も合併することもあり、このあたりはケースバイケースかなと思います🙆

数年前に直腸脱も腹腔鏡手術で保険手術ができるようになりました。
私自身は行っておりませんが、手術適応の方は然るべきオススメの施設にご紹介致します🙆
小さなキズで根治性も高いです。
もちろん肛門からの手術方法も選択肢としてはありますので、そのあたりはご相談になります😊

色々書きましたが、まずは診断からかな、と思いますが気になる症状がある方、肛門科外来受診されてみてください☺️

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Source: 埼玉の大腸肛門科(肛門・痔・大腸内視鏡)ママ女医のブログ

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