法科学研究センターの雨宮正欣所長は番組の取材に、ハイポキセンについて「ロシアで開発された低酸素症の治療薬として使う薬で、いわゆる血中の酸素、こういうものを増やす作用がある薬です」と説明。L-カルニチンは「代謝を良くする効果」だとし「3つの薬が合わさることによって互いの効果が増す。しかし仮に常飲していたら15歳の体には負担が大きい。血管系の障害を引き起こすリスクもある」と解説した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/354cb72b4a4191949569cc5c6421aa80b9a6d368
ワリエワにまさかの〝援軍〟 米国の専門家が検出成分にドーピング効果なしと次々指摘米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターの心臓専門医兼運動科学者であるベンジャミン・レバイン氏の見解を掲載。検出されたトリメタジジンの効果を詳細に説明したうえで「私の意見では、トリメタジジンが彼女のパフォーマンスを改善する可能性はゼロだ」と断言した。また、米誌「ピープル」はニューヨーク大学ランゴーン心血管疾患予防センターの予防心臓専門医ショーン・ヘフロン博士の見解をこう報じた。「トリメタジジンの理論上の利点として、アスリートはより高い強度で、より長い期間トレーニングができるようになるかもしれない」と一定の効果を示した上で「ただ、ほとんどの人にとっては何のメリットもない。エリートアスリートの場合でも、トレーニング能力やパフォーマンスが上がるとしても1%くらいだろう」。その効果はほとんど意味がないという。
しかも、ワリエワからL―カルニチンも同時に検出されたことで、トリメタジジンの効果がなくなると指摘。「トリメタジジンは狭心症の治療に通常使用される心臓薬であり、脂肪酸代謝を阻害して体の代謝をブドウ糖にシフトさせる。筋肉はエネルギー源としてブドウ糖を使用しており、運動をしている場合、有益な変化になる可能性がある。だが、L―カルニチンは脂肪酸代謝を助けるサプリメントだ。脂肪酸代謝を阻害するトリメタジジンと併用するのは逆の効果で互いに打ち消すことになってしまう」。つまりトリメタジジンとL―カルニチンの併用は運動機能の向上において何の効果もないというわけだ。
さらに米科学メディア「ポピュラーサイエンス」」も、フロリダ大学の生理学者で運動効果を専門とするスコット・パワーズ氏のコメントとして「トリメタジジンを服用している心臓病の患者は歩行能力の改善が見られるが、他の研究では違いは見られない。正直なところ、なぜそれがスポーツなどの運動で何らかの助けになるのか私には理解できない」と報じた。
米国の専門家から次々と上がった〝ドーピング効果なし〟の指摘。今後の騒動の行方に一石を投じることになりそうだ。
トリメタジジンは、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)による陸上競技の禁止物質リストに含まれている。2014年、中国のオリンピックチャンピオンの水泳選手である孫楊は、4か月前に新たに禁止され、当時WADAによって禁止された興奮薬として分類されていたトリメタジジンに対して陽性を示した。その結果、孫は中国水泳協会によって3か月間出場禁止となった。 2015年1月、WADAはトリメタジジンを「興奮薬」から「心臓代謝調節薬」に再分類し、格下げした。2022年1月1日の時点で、トリメタジジンは常に禁止されている「代謝調節薬」としてリストされており、「競技会(時)および競技会外」において禁止されている。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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