そろそろ植えなきゃ、アカンのとちゃう?
スタッフに声をかけた。
新事務所のなんでも相談所の横は、
結構日当たりがいい。
そこに朝顔の種を植えるのはどうだろう?
今度、大家さんに聞いてみよう。
SHINちゃんは、
重度障害があって、
この世に生まれてきた。
彼と彼のお母さんと出逢ったのは、
市民病院の病室だった。
成長とともに、
障害が重度化し、
誤嚥性肺炎を繰り返すようになった。
病院の小児科医から、選択を求められた。
声を失い、命を延ばすこと、か、
声を失わないが、命を縮めてしまうこと、か。
小さい時から、何度も大きな手術をしてきた
息子に、これ以上の手術はしてやりたくない。
声を失わせてまで、命を伸ばそうとすることは、
親のエゴではないか、と、苦しみ抜いておられたそんな時、
SHINちゃんのお母さんと病室で出逢った。
出逢った瞬間を今も覚えている。
こわばって、一生懸命で、必死の顔をしたお母さんの話が、
病室に入った瞬間から30分ぐらい続き、必死に必死に、
言葉をつなぐ、、そうしていると、わーーーって泣き崩れる。
先生、初めて逢ったのに、泣いちゃって、
もうこんなんで、ボロボロで、涙ばっかで、
ちょっと鼻をかましてください。チーン。
ちょっと、落ち着きました。先生あのね、
SHINをね、ただね、今までみたいにね、
お家に連れて帰ってやりたいの。
ただただね、お家に、一緒に帰りたいの。
喉に穴を開けるとか、胃に穴を開けるとか、
それで、命が短いとか長いとか、
そんなことどうだっていいの。
お家に一緒に帰りたい、先生、お願いします。
彼らとの出逢いを、朝顔の季節が近くなると思い出す。
お家に帰ろう。
そこにこだわらないと帰れないこの時代を、
いつかきっと、変えてやる。
ただ、普通に、お家に帰ろう。
その誓いも一緒に思い出す。
さあ、朝顔の種を植えてみよう。
今日は、この曲です。
元気だして行こう!!!
良かったら聴いてください。
毎日読んでいただき感謝申し上げます。
良かったら、クリックもよろしくお願いします。
たなかホームケアクリニックYOUTUBEチャンネル登録よろしくお願いします。
Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
コメント