円安進行で「安いニッポン」の流れが加速している

おはようございます。

みなさんにぜひ読んでほしい本の1つに、『安いニッポン 価格が示す停滞』という本があります。

 

この本が書かれたのは2019〜2020年ですので、今年に入ってからの急激な円安は反映されていません。

「安いニッポン」は最近になって現れた傾向ではなく、すでに10年〜20年前からゆっくりと確実に進行していたのです。

ここ数年でその傾向が顕著になり、コロナによる入国規制前は毎年のように外国人訪日客が過去最高を更新し続けていましたね。

円安進行で「安いニッポン」の流れが加速している

本日の記事の要点は以下の通りです。

1. 先進諸国の中で日本の賃金だけがマイナス成長という事実

2. 賃金の伸び悩みは物価の停滞に直結

3. 円安進行により「安いニッポン」の流れが加速している

以下詳細を見ていきます。

 

1. 先進諸国の中で日本の賃金だけがマイナス成長という事実

資本主義経済において国が健全に成長するためには、賃金がゆっくりと増え続け、それとともに物価もゆっくりと上昇(マイルドなインフレ)することが重要です。

ところが、下の図を見ると分かる通り、日本を除く多くの先進諸国では過去20年間で賃金が伸び続けていますが、日本だけが20年たってもマイナス成長という異例の事態になっています。

<働き方改革の死角>日本、続く賃金低迷 97年比 先進国で唯一減:東京新聞 TOKYO Web から引用

この「賃金成長マイナス」という状態を早く脱却しなければ、世界各国との差はどんどん広がるばかりでしょう。

 

2. 賃金の伸び悩みは物価の停滞に直結

賃金が上がらないのに物価が急激に上がってしまっては一般庶民の生活は成り立たなくなってしまいます。

もちろん、日本でも物価は20-30年前と比べればゆっくりと上がっていますが、その程度は他の先進諸国と比較すれば軽度です。

その間、他の世界各国では賃金も物価もどんどん伸び続けていますので、日本だけが過去30年間くらい取り残されたままだと言えるでしょう。

その結果、日本は外国人にとって年々訪れやすい国になってきています。

もっと直接的に言えば、「何もかも安いので気軽に行ける国」ということであり、日本の国力低下を意味します。

 

3. 円安進行により「安いニッポン」の流れが加速している

2022年に入って急激に円安が進行したことから、国際社会において円はますます弱い存在になっています。

米国などの先進諸国と同様、日本でも「悪いインフレ」が進んでいますが、他国と比較すると軽度であり物価に関してもどんどん差が広がっています。

2022年は「安いニッポン」の流れがますます加速した1年と言えるでしょう。

今後コロナによる訪日制限が解除されれば、多数の外国人旅行客が押し寄せることが想定されます。

主要な観光地のホテルは外国人向けの高い価格設定になる可能性もあり、平均的な日本人の給料で自由に国内旅行ができなくなる日がやってくるかもしれません。

 

まとめ

長年にわたる賃金の伸び悩みと物価の停滞により、世界各国から見て日本は年々「貧しい国」になってきています。

日本は「お金持ちの国」という認識がありますが、まずは現状を正しく認識することが重要です。

 

日本の国力低下を考えるうえで、『貧乏国ニッポン』という本も大変オススメです。

『安いニッポン』と合わせてぜひ読んでみてください!

 

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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ

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