忘れえぬ旅行

内科医

 

 今年も残すところ1ヶ月となってしまいました.
 毎年ながら,クリニックにとっては最も多忙なシーズンとなりますので,スタッフの負担を少しでも減らすため,看護師も事務も適宜それぞれ3人体制として何とか乗り切りたいと思います.

 さて,11月の終わりの連休を利用してプチ休暇をいただき,マレーシアに行ってきました.

 多様な民族が混在し,アジア諸国特有の雑然とした雰囲気や,モスクや寺院などの歴史的な建造物や文化を多く遺しながらも,若さと活気に溢れ,ペトロナスタワーに代表される高層ビル群がそびえ近代化著しいハイテク都市,クアラルンプール.
 ペトロナスタワー階下にある巨大モール「SURIA KLCC」には数多のお洒落なショップが並び,国内外からの多くの人々で賑わっていました.

 そして,マラッカ王国の時代から列強による大航海時代へと,歴史の波に翻弄されながらも東西貿易の交通の要衝として栄えた世界文化遺産マラッカ.プライベートツアーで中華系ガイドの楊さんに丁寧に案内していただき,非常に勉強になりました.

 発展著しいマレーシアですが,人口比率の最多を占め,イスラム教徒であるマレー系や先住民族を経済的社会的に優遇するブミプトラ政策により,中華系をはじめとする他の民族はやや不満を感じているとのこと,楊さんからも直にその声を聞くことが出来,日本では普段考えることもない民族融和問題の難しさを肌身で感じました.

 チャイナタウン近くにあるセントラルマーケットはなんと前首相マハティールに遭遇😂❗️99歳とは思えぬ足取りと肌艶の良さ,ものすごい人気でした.

 宿泊したマンダリンオリエンタルホテルは少し値段は張りましたが,ホスピタリティたるや素晴らしく,スタッフはフレンドリーで親切,滞在中部屋に差しっぱなしにしておいたスマホケーブルを,ベッドメーキングの時にホテルのロゴが入った結束バンドで丁寧にまとめてくれてくれるという,そんなちょっとした心遣いにも感動しました.

 短期間の滞在でしたが,他のアジアの新興国と同様,人々の若さと明るさ,未来への希望とダイナミズムを感じ,まさに日本の高度成長期を見ているようでした.

 ところでの旅行,実はひとつ大変な経験をしてしまました.
 出発日の早朝,関空でチェックインしようとしたところ,なんと自宅にパスポートを忘れてきてしまったことに気づいたのです.何度も海外旅行をしているのにこんなことはもちろん初めてで,まさに奈落の底に突き落とされた感じでした.
 出発当日の朝,いざという時のためにパスポートをコピーしておくのを忘れたのに気づき自宅でコピー,その複合プリンターのフタに挟んだままにしてしまったという,「あるある」ではあるものの,絶対にやってはいけない大失態でした.
 取り合えずダメ元で旅行社(HIS)に相談しようということになり,空港内にある同社のオフィスに連絡したところ,神戸本社と連携して何とかしてみますとのこと.
 すると担当の方がテキパキと処理してくださり,幸運にも1日ずらして同じ便,同じホテルが空いているとのこと!まさに不幸中の幸いとしか言いようがありませんでした.オプショナルツアーや,予約していたレストランや保険なども全部ずらし,なんとかほぼ予定通りの工程を組み直して翌日同じ時間に無事再出発となりました.

 帰りは機内泊でしたので本来ならば日曜日の早朝に帰国,ゆっくり疲れを癒す予定でしたが,当然帰国は月曜日早朝となってしまいました.
 それでも関空6時着でしたのでなんとか診療には間に合うはずでした.
 しかしなんと関空から神戸に帰る高速道路が大渋滞!到底間に合わないことが判明,車内からスタッフに状況を説明,とりあえずクリニックを開けてもらい,来院患者さんには謝罪してお待ちいただくこととなりました.
 交通事故を起こさぬよう焦る心を抑えながらクリニックに直接駆け込んだのが9時半,待合室にはすでに10人以上の患者さんが来院されていて,休む間もなく慌ただしい1日がスタート,旅の余韻に浸る間もなく何とか無事診療を終えました.

 そんなこんなで,今回の旅行は行きも帰りもドタバタで,しかもキャンセル料もかかったため高くつきましたが,念入りに計画して楽しみにしていた旅行に何とか行けたことが何よりも嬉しく,そして怪我の功名でかけがえのない?ただもう二度としたくない経験ができた,と前向きに考えたいと思います.
 でも,私のパスポート忘れ事件は,家族やスタッフたちにはしばらく笑いのネタにされそうです.

 いつも好奇心をくすぐり,何物にも変え難い人生経験を与えてくれる見知らぬ土地への旅.私の気持ちは,早くも次の旅に向かっています.
 あっ,パスポートだけは絶対に忘れないようにしないと😝

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Source: Dr.OHKADO’s Blog

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