乳がんがわかって
治療をはじめてから2~3年の頃、
「がんになってよかった」
と言うひとの気持ちがわからなかった
がんになってよかった?
死ぬかもしれないのに?
おっぱいも切って、
リンパ節も取って、
こんなに痛い思いしているのに?
副作用がこんなにつらいのに?
子どもも産めなくなった
結婚だってできるかわからない
仕事もできない
やりたいことも
諦めなければならない
今までやってきたことも
続けられるかわからない
なのに、
「がんになってよかった?」
命もかかっているのに、
子どもも産めなくなったのに、
副作用もこんなにつらいのに、
先も見えないのに、
よくそんなこと言えるね
「どうして
そんなことが言えるのか...」と思った
その感情は、
半ば怒りにも似ていた
今、まさに、
がんと闘っているひとがいて、
もしかしたら、
余命を告げられているかもしれない
生きたくても
生きられない...
なのに、
「がんになってよかった」なんて、
あまりにも失礼なのではないか
「“がんになってよかった”なんて、
そんなのきれいごとだ!!」
日々の副作用に耐えることが
いっぱいいっぱいで...
未来も目標もすべて失って
心は真っ暗闇の中で...
「がんになってよかった」なんて
言っている意味が
到底理解できるはずもない
できるはずがない
その思いに変化が出てきたのは、
私自身の治療が落ち着いて
心にも身体にも
少し余裕が出てきた頃
「がんになってよかった」
という気持ちが
少し理解できるような気がしたのだ
思えば、がんになって
気づいたことがたくさんあった
がんが気づかせてくれたことが
いくつもあった
きっと、がんにならなければ
気づかなかったことかもしれない
それは、
がんになったひとなら
誰もが感じたであろう、
“当たり前なんてない”ということ
そして、ひとの温もりや優しさ
ごはんを食べられることへの感謝や
“日常”という日々を送れること
そう、それは
“乳がん”という呪縛から、
少しだけ解き放たれたからこそ
生まれた感情なのだと思う
心に余裕ができたからこそ、
そう思えるようになったのだと思う
それでも現実は
そんなに生易しいものではなくて
“がん”は本当に厳しいもので...
そんな中でも、一瞬でも、
感謝の気持ちや優しさが生まれたのは
がんになったからこその思いなのだと思う
今、こうして生きていること――
それは奇跡で
だからありがたく、
日々を送らなければ
これからも、感謝の心を忘れず
生きていかなければね
でもやっぱり、
心の底から、
「がんになってよかった」
とは思えないかも...
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Source: りかこの乳がん体験記
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