第69回 日本糖尿病学会

健康法

さて,気を取り直して糖尿病の考察に戻ります.

実は 5月 21-23日に大阪で開催された 第69回 日本糖尿病学会 年次学術集会には もちろん参加するつもりで,ホテルなども予約してありました. しかし,4月に母が亡くなり,それどころではなくなったため,すべてキャンセルしました.

(C) 日本糖尿病学会

ただ,今回学会参加を断念したのは これで良かったのかな,と 今は 感じています. 本ブログでは,自分自身の体験から,そもそも2型糖尿病の食事療法はどうあるべきなのかを考えてきたのですが,そういう目であらためて今回学会のプログラムを見直してみると,食事療法に関連する シンポジウム・講演が極端に少なかったからです.

教育講演がなかった

「食事療法と運動療法は,糖尿病治療の基本である」

「薬物療法は,食事療法・運動療法で効果がない場合に限られる」

従来から学会はこう力説しておりました.ところが今回学会では 食事療法に関する教育講演がありませんでした(運動に関する教育講演はありました). こんなことは珍しいです. 糖尿病学会における教育講演とは,糖尿病専門医,および専門医をめざす一般内科医向けに基本中の基本を丁寧に解説するものです. そういう性格のものなので,教育講演では,あくまでも教科書的に ごく基本的なことを述べます. 専門医なら誰でも知っていることでも,しかし 手抜き・省略せずに淡々と解説することに意義があるのです. しかし,今回のように 食事療法に関する教育講演が一切ないと,糖尿病についてあまり詳しくないから学会で勉強しようと思って参加した 内科の医師はどうすればいいのでしょうか? 学会が一般内科医向けに発行してきた『糖尿病治療ガイド』も2024年版 を最後に,発行されていませんから,最新の治療指針・食事療法指導指針が何も存在していないことになります.

シンポジウムはあったけど

それでは,と教育講演ではなく,一般講演・シンポジウムに目を向けてみると,食事療法に関するシンポジウムが1本だけ ありました.ここで 食事療法について複数の講演が行われたようです.

(C) 日本糖尿病学会

医学部を出た大学同期が この学会に参加してきたというので「どんな内容だったの?」と電話で聞いてみたら,

という答え.耳を疑いました.

ショウジョウバエ Drosophila melanogaster

と思わず怒鳴りましたが,間違いなくそうだったようです. 聞けば,糖代謝にかかる ごく基本的なメカニズムを,ショウジョウバエをモデル動物として研究した報告だったようです. シンポジウムのそれ以外の講演も,非常に基礎的な内容だったとのことです.

うーん,学会はどうなってしまったのでしょうか. いえね,たしかに基礎研究は重要ですよ.しかし,日本の糖尿病医療の中心たる日本糖尿病学会が,年に1回だけ行う 学術集会において,糖尿病食事療法に関する臨床参考情報がまったく提供されなかった,というのでは 一般内科医・患者はどうすればいいのでしょうか.

Source: しらねのぞるばの暴言ブログ

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