【必見】管理者・リーダーにもできる!事業所・部署間のトラブルを防ぐ方法!

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どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!

今回の記事は、介護施設の『クラスター』がテーマです。

新型コロナウィルスの『クラスター感染』で知られるようになった『クラスター』という言葉。

『クラスター』というのは集団という意味で、ライブハウスやデイサービス、保育園といった比較的小さな集団に使われます。

介護施設の『クラスター』では、感染症のごとく見えない敵が潜んでいます。

それは『思想』です。

『思想』が『クラスター感染』したときは驚異でしかありません。

『クラスター』同士の接触も困難になってきますから…。

中規模以上の介護施設向けに、『介護×クラスター感染』法人内での健全な介護の『思想』の保ち方について書いていきたいと思います。

※経営母体は『法人』だけではありませんが、説明を分かりやすくするため『法人』という表現を使わせていただきます。

同法人介護施設の事業所・部署間に生じている溝

中規模以上の介護施設を運営している法人ではあらゆる専門性を持ったクラスターが存在します。

まずは事業形態。

特養、老健、訪問サービス、通所サービス、居宅介護支援事業所…などなど。

特養や老健といった大きな事業所になると、こんな風に部署が分かれています。

一般棟、専門棟、ユニット、医務室、相談室、事務室…などなど。

それぞれの『クラスター』では役割も違えば専門性も全く異なります。

さて、各クラスターでどんなことが起きているのか見ていきましょう!

まず入所施設。

介護職はこんなことを言っています。

ケアマネや相談員はいつも座ってばっかりや!
こっちはこんなに大変やのに!

そして、ケアマネや相談員のいる相談室では…。

なんでユニットは決まってることができひんのやろ…。

その頃、医務室では…。

ショートステイの薬の持参をもっと分かりやすくしてもらわないと管理が大変!
相談員は分かってるんやろか!

三者三様に言いたいことを言っています。

さらに事務所では…。

なんでこんなに人が必要なんやろ?
物も壊れすぎや!
物は大事に使ってもらわな!

それぞれに視点が違うので仕方がないのかもしれませんが、どんどん各クラスターの溝が深まっていくのです。

在宅はどうでしょうか?

居宅のケアマネさんはこんなことを言っていたり…。

デイは何でもかんでもケアマネに言うてくるなぁ!

デイサービスではこんなことを言っていたり…。

他のケアマネやったらここまではしてくれるんやけどなぁ…。
なんであのケアマネだけはしてくれへんのやろ?

訪問看護では…。

デイサービスは何であのぐらいの熱で帰らせるんやろ!?

在宅の各事業所も言いたい放題です…。

他法人の事業所であれば、こうしたやりとりも仕方ないと思うのですが、法人内もこんな感じで言いたい放題になってしまうことがあるんです。

在宅の場合は、ある意味健全ではあります。

在宅のケアマネジャーは、自法人のサービス事業所を在宅サービスのなかの一選択肢として位置づけ、利用者さんに「うちのデイや訪問看護を使ってください!」なんて言ってはいけないからです。

法人内のサービス事業所同士であっても考え方は一緒で、安易に法人内のサービス事業所を勧めてはいけないんです。

これは介護保険制度上のルールです。

そういう意味では同法人のサービス事業所でも別法人同様の扱いをしている状態は健全なのですが、法人内の事業所間で批判し合う必要まではなく、サービスの質を高め合える存在にならなければ、「同じ法人内で何やってるんだ!」ってことになってしまいますよね。

とにもかくにも、介護施設は法人内のクラスター同士に溝があることが多いんです。

そして、一部のクラスター同士は仲良かったりしていることもあり、混沌としがちなんです…。

全ての介護施設がそういうわけではないですが、こうした状態に陥りやすいのは間違いないと思います。

なぜ介護施設の事業所・部署間の溝はできるのか?

クラスター内部は溝だらけが当然の介護の仕事!?

ではここで、それぞれの事業所・部署のクラスター内部を見てみましょう。

クラスター内部もまた混沌としていることが多いです(^_^;)

私としては、介護のクラスターはある程度混沌としているほうが健全かと思っています。

介護という仕事は、目標が定めにくい仕事です。

組織というのは、「目標を達成するための集団」であり目標は欠かせないわけですが、その目標が定めにくいとなるとクラスター内部は混沌として当然なんです。

例えば、介護の理念を考えるうえで、こんな目標が考えられますね。

「自立支援」「在宅復帰」「オムツゼロ」「身体拘束ゼロ」…などなど。

「自立支援」といっても、どこまで自立を支援するかは利用者によって変わってきますし、職員それぞれの見立ても異なります。

「在宅復帰」といっても、困難事例では意見は二分することでしょう…。

「オムツゼロ」といってもオムツが不可欠なケースもあるでしょうし、「身体拘束ゼロ」といっても無理やりゼロにすればいいというものでもありません。

どんな目標もさまざまな「思想」が対立しても仕方のないのが介護なのです。

悪しき「思想」がクラスター感染していくことも多々あります。

私は介護の組織をそんなふうに捉えているため、クラスター内部での対立は当たり前としていろんな取り組みをしてきました。

これらの記事をご覧いただければその取り組みが見えてくると思います↓

クラスター内部に溝がない事業所・部署の存在があれば黄信号!?

一方で、事業所・部署によってはクラスター内部で「思想」が凝り固まっている場合があります。

これはこれで、実は良く起こります。

強烈なリーダーシップで管理者やリーダーがチームを一つの「思想」でまとめているか、管理者やリーダーのリーダーシップが脆弱化しお局的な存在の権力者に「思想」を牛耳られているかのどちらかの状態と言えると思います。

あるいは、たまたま同じ「思想」の者たちが集まったチームと言うことと思いますが、そんなのは稀だと思います。

何度もいいますが、介護の仕事は多様な「思想」が存在して当たり前の仕事なのです。

多様な「思想」があるからこぞ、有意義な議論ができチームが活性化していくのです。

多様な「思想」のやりとりが少ない場合に、介護の組織がどうなるか??

「思想」が一致している毎日に慣れてしまって、「思想」を対立させることができなくなってしまいます。

そして、違う「思想」に出会ったときに理解さえできないようなことが起こります。

Aさんなんですけど、夜中に一度トイレ誘導してはどうでしょうか?

え?夜は寝るもんだから…。そんなことして眠れなかったどうするの?

他の方法で考えるしかないですよね!

集団の心理って怖いですよね…。

どんどん「思想」が偏ってしまうわけです…。

そんな事業所・部署は、外からはある意味まとまっているように見えるんですが、他の「思想」を寄せ付けないチームになっている可能性が高いと言えます。

これは黄信号!?

そんな事業所・部署の存在は、他の事業所・部署へと感染しちゃうことがあるんです。

偏った「思想」がクラスター感染した事業所・部署は、前述のとおり外からまとまっているように見えるがゆえに、上層部から評価されてしまったり、他の事業所・部署から羨ましがられてしまうこともあるからです。

まさに「クラスター感染」が次なる「クラスター感染」を起こす様と同じです…。

もう赤信号と言っても過言ではないかと思います。

多様なクラスターが出来る原因は管理者やリーダーの育成不足!?

このようにして、いろんなクラスターが出来てしまうのは何故なんでしょうか?

それは、一言で言えば法人の管理者やリーダーの育成不足だと言えます。

どういうことかと言うと、法人の上層部はリーダ―育成のノウハウを持っていないため、各事業所・部署の運営を管理者やリーダーに任せ切ってしまうがゆえに、それぞれがそれぞれのやり方でまとめてしまうということです。

介護業界は、人材育成のノウハウにまだまだ弱いんですよね。

リーダー育成となると、介護業界にとっては未知な世界であったりしてしまうわけです。

私は人材育成に興味があり、これまで悩んで学んで試行錯誤を繰り返してきましたが、それでもなお難しいと感じるのが人材育成でありリーダー育成です。

しかも、介護という特殊な仕事のリーダー育成となると、まだまだそのノウハウは確立されていないわけです。

ただでさえ難しい介護リーダーの育成を真剣に考えていない法人で、管理者やリーダーが正しく機能するわけがないですよね…。

このようにして、多様なクラスターが出来上がったしまった法人は、クラスター同士の溝が深まり、やがて衝突が生まれます

法人の上層部の責任でしかない問題なのに、事業所・部署間で衝突するなんてバカらしいことですよね…。

同じ法人の職員なのに、なんでそんなことになるんでしょう??

「法人職員であるという自覚」で自由な運営ができない組織にしよう!?

私たちは介護施設に採用されたとき、中規模以上の法人であればどこかの事業所・部署に配属されることになります。

そして、数年経てば異動することもあります。

ところが、近年の介護施設ではなかなか異動させることができないといった現象が起きています。

私は、グループホームじゃないとやっていけません!

訪問看護に異動になったら辞めます!

居宅ケアマネ希望です!
異動がなかったらここで働きたいと思っています!

人材不足がゆえに、異動がしにくい状況が生まれています。

辞められた困るからです。

辞められたら困るがゆえに異動することなく一つの事業所・部署で仕事をつづけ、そのままリーダーとなり管理者となりしていく職員が現われます。

それ自体は今の時代必要なことではあります。

多様な人材の多様な働き方を実現していくためにも必要なことです。

スペシャリストの育成がある法人なんかは素敵だとも思います。

ただ、法人として押さえておかないといけないのは、どの職員も事業所・部署の職員である前に法人の職員であるということです。

皆が皆、今所属している事業所・部署に満足して仕事をしているわけではありません。

ずっと希望している事業所・部署で仕事をしている職員も異動を数回して今の事業所・部署に不満を持っている職員も同じ法人職員として守られなければいけません。

なんでオレばっかり異動せなあかんねん!

アイツは異動したことがないから視野が狭くなってまうんや!

こんなしょーもない衝突も生まれてしまいます…。

これは衝突している職員のせいではありません。

法人が異動させていないせいでもありません。

法人が、同じ法人職員としての育成や管理をしていないからです。

どんな育成・管理をされているかが見えていれば、こんなことにはなりません。

スペシャリストコースみたいなキャリアパスがあればいいんです!

異動を重ねてマネジャーコースみたいなキャリアパスがあればいいんです!

そういった法人職員としての道しるべもなく、ただ単に所属した事業所・部署の運営を任せているだけでは、法人職員の自覚など生まれるわけもなく、ただ単に事業所・部署の職員で終ってしまうんです。

そんなことでは、各事業所・部署がやりたい放題になっても当然ですよね!

法人職員としての自覚が持てるようにしていれば、各事業所・部署はやりたい放題の言いたい放題になどできないはずなんです!

これって当たり前のことなんですけど、そうなっていないことが多いのが介護施設の実態なわけです。

こんな問題、法人の上層部の問題じゃないですか!?
私たちにはどうしようもできないですよね(-_-;)

確かにその通りです…。

法人の上層部が、まずは法人職員としての人材管理の仕組みを作って法人職員としての自覚を醸成するとともに、各事業所・部署の管理者やリーダーの「思想」をまとめるための仕組みを作るべきです。

ただ、雇われ管理者でも何とかできる方法が一つだけあるんです!

管理者やリーダー1人ひとりの簡単な思いきりで、法人職員としての自覚が生まれ、クラスター同士でのトラブルを回避できる方法があるんです

管理者・リーダーは上層部への報連相で責任を背負わない!

それは、各事業所・部署の管理者やリーダーが勝手に責任を背負わないということです。

管理者やリーダーは、自分の考えであれメンバ―の考えであれ、事業運営の方向性を揺るがすような決定は全て上層部に報告し承認を得ておきます

全ての責任の所在は上層部にあげておけばいいんです。

管理者やリーダーは、たまたまその事業所・部署を任されているだけなので、勝手な決定はしてはいけません

だって、異動することもあれば辞めることもあるわけですから。

その管理者やリーダーが不在になっても、「継続できる安定した支援」でなければいけないわけです。

所詮雇われ管理者である自覚を持つということです。

もし自分自身の事業所・部署の運営を他事業所・部署から批判されたら、こう言いましょう。

上に相談して上に「それでいい」って言われたのでそうしてるだけなんですよ。

そして、他の事業所・部署のやり方で疑問を感じたら、上層部に確認することにしましょう。

A事業所はこんなやり方をされてるんですけど、施設長としてもそれで良いと思われてるんですか?

上層部に確認してイエスなら…

それぞれのやり方でいいってことですよね。ちょっとA事業所と対立してしまうかもしれないので間に入ってくださいね。

上層部に確認してノーなら…

施設長は必要と感じられたらA事業所に確認しておいてもらえますか?A事業所と対立してしまう可能性があるので…。

こんなふうなやりとりで、常に上層部に責任の所在があることをもとに話を進めましょう

自分自身が常に上層部への報連相を行い承認を得ながらやっていれば、どんなトラブルも責任を背負うことがありません!

この上層部への報連相と承認を得たうえでの事業運営をしておけば、事業所・部署間のトラブルに巻き込まれていくことがなくなりますし、そうした風土を一事業所・部署から作っていくことで、もしかしたら全体に広がっていく可能性だってあります。

法人によって職員の「思想」は一定は管理されていくことになりますが、それでいいんです。

「思想」は組織のなかで出せることが必要なだけで、組織としては最終的に「思想」がまとめられていくことは必然なわけですから。

どうあれ、介護の「思想」は複雑で多様なものなので、組織である以上「思想」の統制は不可欠なのです。

負の「思想」がクラスター感染を起こし、また別のところへクラスター感染していったら、介護施設は負の「思想」のパンデミックです!

施設が崩壊します…。

そうしないための全責任は、どこにあるのか?

全責任は法人のトップにあるんです!

 まとめ

介護施設の運営って、ほとんどが管理者・リーダー層次第になっていますよね(^_^;)

介護施設の管理者・リーダーってスゴイなと思う一方で、バカだなと思っちゃいます。

これまでの私も含めて…(^_^;)

勝手に責任まで背負う必要ないのに、どんどん責任を背負ってしまいます。

なかには「お前が経営者か!」と言わんばかりにストイックに事業運営されている管理者・リーダーもいますよね(^_^;)

でも、それは本当は無責任なことです。

自分がいつまでもそこにいるわけではありません。

自分がいなくなったときに続けられないような事業運営であれば、それは「悪」でしかありません。

例えば、質を高め過ぎてしまって、後に続く者が事業運営を継続できなければ、必要な生活支援が途絶えてしまうのが介護の仕事なわけです。

結果として利用者を困らせてしまうことになるわけです。

ちなみに、私は質を高めるためにやりたいことをやるようにしてきました(^_^;)

もちろん、全て上層部への報連相と承認を得た上でです!

メリットもデメリットも全て上層部に伝えておきます!

私が異動等でいなくなったときに支援の継続ができず利用者が困るようなことになったとすれば、それは法人の責任でしかありません。

法人に認められないことは、どれだけいいことでも残念ながらやっていはいけません

それが嫌なら法人と戦うか辞めるかのどちらかです…。

所詮雇われの身という意識は、法人職員として持っておいたほうが楽ですし、余計なトラブルで悩むこともなくなるので、管理者やリーダーとなった方には特にオススメの働き方です!

そのうえで、やりたい介護をやっていけばいいわけで、そうしていくことで少しずつ道を開いていけばいいのです!

Source: すべての道は介護に通ず【暮らしかるモダンなブログ】

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