倉澤一馬さん、研修医時代、予診から死亡診断まで、
全てを経験させていただいた83歳のおじいさん。
もう20年以上前のことだが、
タナカは、この方を一生忘れない。
彼が予診で話されていたことは、
まるで昨日の事のように思い出せる。
小さな小さな老夫婦は、
二人でカラダを支え合うように、
ゆっくりと予診室に入ってこられた。
透析が必要で病弱なこの妻を、
ワタシは看取ってやらないとあかんから、
この歳やけど大腸ガンの手術を受けることを決めました。
先生、妻のために頑張りますので、よろしくお願いします。
術後、本当に本当に本当に残念ながら、
敗血症になってしまい、命を落とされた。
入院から一度も家には帰ることができず、天国に旅立たれた。
最後の一ヶ月の入院中、研修医の田中には、
一度たりとも、弱音は吐かれなかった。
大切な妻が、待っていてくれる。
必ず治して、家に帰る。
先生、よろしく頼みます。の繰り返しだった。
今でも、本当に申し訳なく思っている。
治してあげられなかった、、、
家に帰してあげられなかった、、、
大切な妻のために、人生の最後を過ごさせてあげられなかった、、、
彼のことは、いつも心の中にある。
妻のために、頑張る。
家族のために、頑張る。
友達のために、頑張る。
大切な人のために、頑張る。
誰かのために、頑張る。
自分のことなら、こんなに頑張るなんて、
到底できなくても、誰かのためなら、頑張れる。
これだって、立派な人生会議だと、僕は思っている。
人生会議で、その人らしさを、支える時、
『誰かのために生きる』ことも『その人らしさ』、
であることだって、あっていい。
さあ、今日も、誰かのために、頑張ろう!!!
僕も、みなさんと一緒に頑張ります。
楽しい休日をお過ごしください。タナカでした。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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