現代医療で無視される患者さんの姿

内科医
abdpain.png

漢方薬を使っていると普通の内科診療ではありえない患者さんとの出会いがあります。
前回の陰部掻痒感も同じなのですが…陰部瘙痒で内科に来ることもないもんね。

かかりつけの慣れた患者さんは…
「あぁ~また先生、変な事をブログに書いている」とか思うだろうなぁ~(笑)。

今回は小学校高学年の男の子が診察に来ました…「腹痛」です。
近隣の小児科では、気持ち的なものじゃない? とか 薬の飲み過ぎとか?
言われたとのことで、最後は遠くから自分の診療を受けに来ましたよね。

ん~~~
診察して感じることは、この男の子が腹痛で悩んでいるという事は事実だね。だって、さぁ~臍部を中心にして熱がこもっているから、腹痛が起きてもおかしくない。ここの感覚は現代医学だけ学んだんでは無理だよね。漢方医学的には芍薬が欲しい所なんだよね。と、すれば桂枝湯。腸と皮膚のバランスが乱れているんだろうね。子供だから小建中湯になるのかな。とかの治療になるのかねぇ~。ん~~~。

何故に分かるか?ということなんだけど、さ。
これは鍼灸師の恩師が教えて下さったものが役立っている姿ですよね。

医師としては身体の悪い部分の把握が必要ですので、気の流れの停滞に関しては何年となく練習しました。最初は故・母の背中の痛みから始まります。背中が痛いから鍼を打ってくれと。全身の力を抜くと「何となく気の流れの停滞部位」が分かったので鍼を刺しました。その後、20分程度置いて身体を診ると、気の流れの停滞がなくなって気の流れが再開している。ということは…鍼って「気の停滞の改善」にある治療なんだな、と思ったりしました。

そのころは恩師の鍼灸師の先生は存命していましたので「鍼とはそういうものだ!」と教えられました。それからは…何度も気の停滞部位を探すことを診療に入れていると慣れて来るので、身体に触らなくても気の停滞部位の場所は分かるようになりました。一方では~変なもの見たくないし。「変なものは見せて欲しくない」と潜在意識に懇願しています…だってぇ~幽霊(身体をなくした精神)を見たくないし、さぁ(笑)。

そんなこんなで…医師という仕事は目に見えない世界とこの世の目に見える世界の狭間を生きている様な仕事なのかな?とか思っています。病院で産婦人科の医師が病院を去ろうとしていても病院勤めをしようとしていたのを見て質問したことがあります。「先生の技量ならば開業しても問題はないのでは?」と話すと、その産婦人科の医師は「外科には嘘がないから」と話されていました。そうなのかなぁ。

ん~~~自分は嘘の基盤のプラセボが好きでした。入院の患者さんって沢山薬を飲んでいるから、これ以上飲ませたくないよね。だから…プラセボを使います。患者さんには「今日の薬はとても良く聞くからね」と話し看護師と言葉を合わせます。内容は乳糖という粉のお砂糖です。これが効くんだよねぇ。だから…人間は信じられる医師が出す処方に対しては治りやすい訳で、処方が正しくても医師を信じられなければ薬も効かないとかの結論になります。

PS:まるでトトロの世界。
   あ・今回の「漢方と病名投与の記事」はなかなかアクセスがあるようで良かったです。


Source: 病気って…なぁに?

コメント

タイトルとURLをコピーしました