お看取りがある時、
夜中の電話は、やっぱりしんどい。
笑顔で穏やかに電話に出れただろうか?!
そんな不安はいつもある。
でも、ザイタク医療は、
タナカに与えられた使命だと思っているので、
その一丁目一番地の仕事、
電話対応は、なんとしても、笑顔な声で、対応したい。
四捨五入で、50歳がみえてきたあたりから、
なかなか、ハードになってはきてるのだが、、、
夜中の電話の話題になると、
決まって思い出す外科医の患者さんがいる。
食道ガンで70歳だった外科医の彼は、
タナカの診察の時、こんな話をしていた。
彼の奥さんが、不安そうに何度も何度も、
その時が来たら、どうしたらイイのかしら?
私は慌てふためいてしまうに違いない。
そんな話をしていた時、彼は、おもむろに、
妻のジタバタを、優しく、そして、力強い目で制し、
こうおっしゃられた。
その時が、来たら、ジタバタするな、
俺に必要なのは、おまえの温もりだけだ。
おまえも、慌てず、俺のベッドに入り、
満足いくまで抱きついて泣けばイイ。
満足いったら、その後、朝を待って、
田中先生にお電話しなさい。
田中先生にも生活があり、夜中の電話はきついもんだ。
笑顔で死亡診断書を書いてほしいから、
夜中の電話は、やめておけ。医者も人間だからな。
俺は、そんなジタバタは、好きじゃない。
おまえの温もりという愛があれば、十分だ。
田中先生にも、ゆっくり来てもらって、
コーヒーでもお出しして、
死亡診断書を書いてもらえば、イイからな。
夜中の電話、ちゃんと笑顔で穏やかに、出れるようにします。と、
医者の大先輩の心配りの言葉を聞きながら、心に誓った。
Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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