新聞もそうで、例えば朝日新聞のオピニオン欄で学者が安倍政権の文句ばっかり書いていた。後から気づいたことについて文句ばかり書くだけでは、政治は良くならない。安倍政権が誕生した時の状況を踏まえて、例えば雇用や賃金についてはこのくらいの数字が出ていれば合格点だ、という基準を先に示してあげないと、結果的にどうだったのかわからない。
だから古舘さんが「株価は上がった、でも実質賃金は下がった」と言われたように、菅政権に対しても、これはここまでやれば合格点じゃないですか、ということをメディアは一生懸命示すべきだ。
古舘:『報道ステーション』のことを思い出すと(笑)、例えば雇用についても、両論併記しないといけないと思うから、「安倍総理も言うように、確かに数字は改善している。それはその通りなんです。ただ、非正規雇用も増えている。賃金格差の話もあるし、ここは問題ですよね」と言っていた。
でも、この問題を指摘する後半の部分がちょっとでも長くなると、「VTRも司会者も批判ばっかりだった」、という印象を持たれてしまう。その歯がゆさはあった。よっぽど工夫しなきゃダメだっていうことを、改めて感じた。
橋下:もちろん、完全に中立公平の報道なんて絶対にありえない。
古舘:それはありえないですよ。人間がやっていることですから。
橋下:けれど今のように雇用の話になると、例えばコメンテーターたちが「非正規が増えた、だから問題だ」と一斉に言う。しかし数字を見てみれば、就業者が増える中で、確かに非正規雇用も増えたが、正規雇用だって増えている。安倍政権下での正規雇用者数の増加は、戦後の歴代政権を見ても多い方だ。その意味では、僕は合格点だと思っている。この、正規雇用も増えているという点をメディアはちゃんと評価しないのかなと、いつもコメンテーターをしていてモヤモヤする。
古舘:そういうところはメディア全体の反省点だけど、だからと言って批判をすることを諦めちゃいけない。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)
Source: 身体軸ラボ シーズン2
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