おはようございます。
当ブログの読者の方から、下記のご質問をいただきましたので回答させていただきます。
海外ETFの購入とNISA口座について質問です。
現在、56歳の公務員。
投資については、大昔(30年ほど前)にNTT株が流行った頃に少しだけ手を出して儲けたけど、博打っぽくて怖くなってそれ以来していませんでした。
ところが、昨年から、公務員もiDeCoを利用できるようになったことから投資に関心を持ち、今年から一般NISAを始めました。
NISAの5年間と自分の退職までの期間がちょうど合致したので、収入がある5年間は120万円の枠を享受し、退職以降はつみたてNISAで少額で長期間活用したいと考えたからです。
子たちは社会人で独立して夫とふたりだけになり、おこづかい制を廃止して、生活費を必要なだけ入れる以外の残った各々のお金は自分で管理しています。
収入は、自分の分だけで、毎月の手取りが30~35万円と不動産収入が15万円あります。
現在、楽天証券のiDeCoでは、毎月12,000円を楽天VTと楽天VTIに半分ずつ。
SBI証券のNISAでは、とりあえず最初は手探りでいろいろなインデックスファンドを小額で購入したり、国内・海外のETFを指値で購入したりしながら感触を覚え、これまでは気になる投資信託を積み立てたりしました。
今は、SBI証券のNISAでは海外ETFの購入手数料が無料になるメリットを活かし、VTとVTIの積立と投資信託の積立を併用して、年間120万円の枠を使い切ろうと思っています。
さて、来年の投資手段ですが、楽天証券の投資積立にクレジットカード利用でポイントが貰えるようになる上、楽天証券の海外ETF購入で購入手数料がキャッシュバックされることから、NISA口座をSBI証券から楽天証券へ変更しようか検討中です。
心配は、4年後にSBI証券で購入した商品のロールオーバーができなくなること。
他にも気付いていないデメリットがないのかが分かりません。
投資金額は、毎月20万円以上は可能なので、NISAで海外ETFを10万円、特定口座でインデックスファンドの積立投信を10万円、あとは、随時、海外ETFや投資信託を指値でお得に追加購入したいと考えています。
以上の計画で、メリットやデメリット、気付いていない落とし穴等ありそうでしたら教えてください。
よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、すでにいろいろ検討された上で投資をしている印象ですので、私から格段申し上げることはございません。
個人的に気になった点だけ、少々取り上げさせていただきます。
50代から始めるインデックス投資の考え方
リスクを背負って資産運用をする必要性がどの程度あるか?
ご質問者様の手元にどの程度のキャッシュがあるか不明ですが、一番重要なことは「リスクを背負って資産運用をする必要性がどの程度あるか?」でしょう。
極論しますと、夫婦ともに健康で、定年退職時に手元に十分な量のキャッシュがあり、夫婦合わせた年金+不動産収入(15万円)が毎月の生活費を超えていればそれで十分です。
お金はあるに越したことはないですが、墓場までは持っていけませんからね。
幸い、今の日本においては顕著なインフレ傾向は見られず、現金の価値が比較的保たれています。
今の傾向があと20〜30年続くのであれば、無理に資産運用する必要性がない可能性もあります。
ただし、今後の日本においてインフレが加速するとお考えならば、インフレヘッジの手段の1つとして株式投資は有用なのだろうと思います。
なお、私の場合は30代で将来の年金に関してもどの程度保証されるか分かりませんので、株式を多めに保有することにしています。
退職後はインカムが減るのでリスク管理を意識したい
一点だけ気になる点としては、上に記載されている商品は全て「株式」だということです。
ご存知だとは思いますが、一般的にはポートフォリオの中に占める株式の割合は「年齢(%)」が目安と言われています。
あくまで目安ですので、最終的には各人の好きなように資産を配分すればよいのですが、ご質問者様の場合、理論上は株式は50〜60%が適正となります。
債券などのアセットクラスを保有しないのならば、キャッシュポジションを高めに保った方がよいと思います。
定年までは株式100%のポートフォリオでも問題ない気がしますが、定年後にインカムが減りますと、暴落時に給与収入からの補填が効かなくなりますので、リスク管理を意識したいですね。
株式市場、特に米国市場は長らく好調を維持していますが、いつ何時暴落に巻き込まれるかは分かりませんから。
購入商品に関しては特に問題ありませんが、iDeCoはあまりメリットがなさそう
VTやVTIを中心に運用するのは、インデックス投資の王道だと思いますので、投資対象商品に関しては特に問題ない気がします。
2017年から公務員の方もiDeCoが利用可能となりましたが、公務員の場合は掛金の上限が12,000円/月と限られるうえ、定年退職までの期間も短いので、そこまでのメリットは得られないかもしれませんね。
特に、退職金の金額が大きい場合には、iDeCoの受け取り方、つまり一括で受け取るべきか分割で受け取るべきかは考えておいた方がよいでしょう。
NISA口座の乗り換えは必須ではない
また、NISA口座を楽天証券に乗り換える件についてですが、私の個人的な意見では必須ではない気がします。
確かに、楽天証券で投信積立に楽天カードを利用すると1%のポイント還元が受けられるようにはなりますが、これはあくまでおまけであって投資の本筋ではありません。
このまま海外ETF投資(VT・VTI)で手数料無料の恩恵を受けるので問題ない気がします。
個人的な意見としては、まとめてキャッシュを投入するような局面ではない気がしますので、手元のキャッシュを大事にしながらまずはNISA口座を中心に投資を進めるのがよいのではないでしょうか。
まとめ
手元のキャッシュの量、夫婦合わせた年金額や不動産収入を計算して、リスクを背負って資産運用をする必要性がどの程度あるか検討するのが最重要かと考えます。
投資対象には問題商品はなさそうですが、株式である以上50%程度の暴落は想定のうえ相場に臨みたいものですね。
こんな記事も書いています。
楽天VTに関しては実質コストが0.502%と割高であることが判明しました。今後の投資期間が短い方は、eMAXIS Slimシリーズへの乗り換えも検討すべきかもしれません。
定年近くから投資を始める場合には、何はともあれリスク管理が最重要だと思います。無理をしすぎると必ずあとで後悔します。
楽天カードを利用して投信積立をすると、1.0%のポイント還元が受けられるようになります。確かに魅力的ではありますが、投資の本筋ではないことも事実です。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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