東京医科大学の不正入試問題は、一般人だけでなく、多くの医師たちにも衝撃を与えました。前回の投稿から大分日数が経ってしまいましたが、新展開がありましたので、こちらを書きたいと思います。ちなみに前回の記事はこちら。
文科省は、東京医科大学の不正入試問題が起きてから、他大学でも同じようなことが行われていないかどうか、調査すると表明しておりました。実際、調査は行われており、昭和大学と順天堂大学が男女の合格率に大きな差があると言うことでやり玉に挙がり、文科省から説明を求められていると言うことです。
昭和大学では2浪以上の学生に不利になる得点操作
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また、はっきりした信憑性がありませんが、今日のニュースでは、「2次試験の面接の点数(50点満点)に現役生は10点加点、1浪生は5点加点していた」というもので、1点を争う大学入試では、多浪生にとって、これは明らかな不利になると思われます。
昭和大学は不正であったという認識はなかったと発表
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まあ、現役生に加点するのはともかくとして、同窓生の子息を優遇する方はかなり問題があると思いますね。また、女子を冷遇はしていないとおっしゃっていますが、現役や1浪生を加点すると、男子よりも女子の合格率が上がってしまう気がします(多浪生は圧倒的に男子が多い気がしますので)。現実には女子の合格率が低いのですから、なんとなく怪しいような気が…。
入試要項に書いてあればいいのか
ネットの記事を読んでいて、意外と多かった意見が、「優遇するにしても、募集要項に書いてないのがいけない」というものでした。確かに、多浪生にしてみれば、明らかに不利になるような大学は最初から受験しない、という選択肢も必要でしょう。受験料も結構高いですし、受験日が重なったりする場合には、取捨選択が必要ですので。
よくよく考えてみれば、企業の採用試験も、明らかに学歴であるとか容姿であるとか、性別であるとか、明記されていない事項で評価されている部分がありますよね。クリニックの職員採用でも、規則上募集要項に明記できないですが、男性の看護師は原則お断りなので、暗黙の了解というのがあります。最近のご時世、よく言えば昔よりも平等になった、基準が明確になったといえますが、悪く言うと、明らかに融通が利かないことが多くなりました。
私大の経営判断
これは、私は私立医大にタッチしたことがないので、よく分かりませんが、国立大と大きく違うところは、教育機関としての医学部も、医療機関としての病院も、一元的なもので、経営第一ということです。良質な教育、質の高い医療の提供も大事なことですが、そもそも経営が成り立たなければできないことです。私大としては、優秀な医師が都合よく勤務してくれるのが一番ですので。女性、多浪生が倦厭されそうだ、ということは、前回の記事
でも書きました。
まとめ
今回は昭和大学がやり玉に挙がってしまいましたが、東京医大や昭和大など、比較的中堅どころが真っ先に出てきたのが意外で、本気で文科省やマスコミが叩けば、もう少し受験レベルの低い私大などでもっと露骨な同窓生子息の優遇などが発覚しそうな気がします。ただ、男子や現役生の優遇は暗黙の了解として行われてきたというのも否定できず、完全な男女平等や年齢不問を実現するには、問題点も多すぎるため、医療業界では大学のこのようなスタンスについて、同情的な意見の人も多いのではないでしょうか。
Source: 医者向けのちょっといい情報
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