おはようございます。
バフェットが相続財産の運用方針として身内に残した遺言、
「相続財産の運用として、90%はS&P500インデックスを、そして残りの10%は米国短期国債を買いなさい」
はすごく有名ですね。
ウォーレン・バフェット「相続財産の運用として、90%はS&P500インデックスを、そして残りの10%は米国短期国債を買いなさい」
一般人「FANG+が良さそう!いや、2244の方が良い!これからはインド株の時代だ!」
なぜこうなる?
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) March 28, 2024
このバフェットの遺言を日本式にアレンジすると、
「10%は銀行預金か個人向け国債変動10年、90%はeMAXIS Slim S&P500か楽天・S&P500を買いなさい」
といった感じでしょうか?
実際、この通りに実行したら世の中の大半の投資家に勝ててしまうのではないかというくらい強力だと思います。
バフェットの遺言を日本式にアレンジ「10%は銀行預金か個人向け国債変動10年、90%はeMAXIS Slim S&P500か楽天・S&P500を買いなさい」
日本人なら米国短期債の代わりに「銀行預金」か「個人向け国債変動10年」
バフェットの遺言は日本人でもある程度有効だと思いますが、日本人の場合は若干アレンジすると使いやすくなると思います。
まず、バフェットは「10%を米国短期債」で運用するように助言していますが、日本人だと「円高リスク」があるためオススメできません。
ただでさえ、S&P500という株式クラスに90%も投資するわけなので、残りの10%はより安全な資産で保有したいものです。
そう考えると、日本人投資家にとって現時点でオススメできるのは、
1) シンプルに銀行預金
2) 個人向け国債変動10年
のいずれかです。
銀行預金は今さら解説する必要もないと思うので割愛しますが、個人向け国債変動10年はあまり知らない人もいるかもしれません。
「個人向け国債変動10年」のメリットは、
・変動金利なので、実税金利が上がれば受け取れる利子が増えること(下図参照)
・最低金利0.05%が保証されているため、銀行預金に負けることがない
の2点です。
個人向け国債には「変動10」「固定5」「固定3」の3種類がありますが、実際には「変動10」だけ見ておけばOKです。
現在の日本では、金利は非常に低い水準で推移しており、今後金利が上がった時に柔軟に対応できる変動型が有利だからですね。
「発行から1年以内は原則中途解約ができない」というデメリットがありますが、無リスク資産の保有先としては魅力的な選択肢の1つでしょう。
日本人がS&P500に投資するならeMAXIS Slim S&P500か楽天・S&P500
さて、次に「90%はS&P500インデックスで保有する」の部分ですが、日本人の場合は投資信託を使うのがもっとも簡便ですね。
具体的には、
1) eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
2) 楽天・S&P500インデックス・ファンド(楽天・S&P500)
3) SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBI・VOO)
のいずれかがよいでしょう。
日本人の場合、無リスク資産が「日本円」になるので、S&P500も円建てで表示される投資信託を使った方が、リバランスなど資産配分の調整がしやすいですね。
上の3つはすべてS&P500インデックスファンドの「頂点」に位置する商品ばかりなので、どれを選んでも大差はないと思います。
個人向け国債が10%、S&P500が90%はかなり攻めているので各個人で調整を
最後に議論すべきなのは、「個人向け国債が10%、S&P500投資信託が90%」という資産配分が本当に万人向けなのかです。
バフェットほどの資産家の場合、運用する資産額があまりに巨大であり、運用せずに現金のまま置いておくデメリットの方が大きいです。
VOOなどのS&P500 ETFに投資するだけで、年間何億円もの配当金が受け取れるわけですからね。
運用資産があまりに大きいので、仮に暴落がやってきてS&P500が半値になったとしても、分配金を再投資してゆっくり回復を待てばOKです。
ところが、一般の投資家の運用資金は数百万円〜数千万円程度です。
そうなると、「株式比率90%」というのはかなり攻めたポートフォリオになります。
投資経験が豊富でリスク耐性の高い方は問題ありませんが、これから投資を始める初心者の人にはかなり攻めた資産配分と言えるでしょう。
個人的には、まずはS&P500の割合を「100 – 年齢(%)」くらいに抑えて始めた方が安全に運用できるのではないかと思います。
株式比率は「100 – 年齢(%)」が目安になるという有名な式があります。
ご存知ない方は以下の記事で確認してください。
まとめ
本日はバフェットの有名な遺言を日本流にアレンジしてみました。
日本人なら「10%を個人向け国債変動10で、90%をeMAXIS Slim S&P500で保有する」のがよいでしょう。
資産配分は各個人のリスク許容度に応じて調整ですね。
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しかし、両者の違いや投資するうえでのリスク、基本的な投資知識を身につけてから投資しないと大失敗につながる可能性もあります。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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