ときどき、こんなことを考えるんだ
「この世からいなくなりたい」って．．．
それはきっと、思っちゃいけないこと
でも、そんなことを考えたことがある人って、
声に出していないだけで
きっと多いような気がしている
「あんたなんか産まなきゃよかった」
そう母に言われても、
学校でいじめられても、
「死にたい」なんて思ったこともなかった
乳がんがわかったときは、
「死にたくない」と、心が叫んでいた
死をすぐそばに感じて、
命の大切さを知ったはずなのに．．．
がんの早期発見・早期治療を訴えてきたのに．．．
それなのに、ときどき、
おかしな方向に気持ちが傾いてゆく
本当はこんなこと、思っちゃいけない
口に出してもいけない
乳がんの治療中、両親に家を追い出された
生きてゆく術を見失った
「死にたい」
そう思った
そのことを、お世話になっている外科の看護師さんに話した
「生きたくても生きられない人がいるんだよ」
そう言われた
それは私もわかる
命を粗末にしてはいけないこともわかってる
でも、自分の命と他人の命を
一緒には考えられなかった
「これは私の気持ちで、
生きたいのに生きられない人の気持ちじゃない」
そう思った
ときどき、どうでもよくなることがある
乳がんになってから、
以前のようには生活できなくなった
両親にも、勘当されたも同然
子どももいない
守るものも、失うものもない
このままずるずると年老いてゆくだけなら、
「もういいか．．．」と――
きれい事じゃない
繕うつもりもない
やっぱり生きていくのはしんどい
さ、とりあえず、早く寝よう．．．っと
あしたはまたやって来る――
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Source: りかこの乳がん体験記
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