「小柴胡湯」…使わないなぁ。

内科医
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ん~~~自分は滅多に使わない「小柴胡湯」です。
一般的には多用されている様ですが…自分が使っても合方するだけです。

例えば…小柴胡湯の腸を温める力が弱いとか
胃を冷やしたくないとかで合方にすることが多い様な感じです。

何故、小柴胡湯を使わないか?
この小柴胡湯を構成する薬草をみると、非常に強固な中和剤だからです。

小柴胡湯の構成は…
柴胡6.0;半夏5.0;生姜4.0;黄芩・人参・大棗各3.0;甘草2.0

小柴胡湯の場合も、この薬草構成から意味を探る以外ないんだよね。
三陰三陽でがっちり骨格が出来ている処方で長く使う処方ではない。
この小柴胡湯は肝臓と小腸のバランスを取っている処方以外の何物でもない。

長く使えば…間質性肺炎もありうる処方です。
漢方薬でも薬なので当然に副作用もあります。

小柴胡湯=肝臓病に良い→これは間違いです。
この処方は肝臓と腸のバランスを崩した時に、一時的にバランスを戻す処方です。

こんなことから…自分は滅多に単剤では使いません。
実際の図式した「小柴胡湯」の構造は以下の図になります。

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非常に強い安定性を持っている漢方処方が小柴胡湯です。
これだけの安定性を保持している処方を使うのは…時間が限られています。
良い線で3ヶ月まで…。それ以後は出口がある処方を使うべきだよね。

一時期、小柴胡湯の保険治療の金額が億単位になりました。
漢方薬の使い方が違うんだって…さ。

如何に熱を体外に逃がすか?を考えれば

小柴胡湯の長期投与はあり得ない。これ中和剤だもの。

副作用も強くなる。間質性肺炎も起こりうる状況を作り出す。
そんな処方が「小柴胡湯」という処方です。

ただ…この「小柴胡湯」を考え出した張仲景と言う医師の凄さを感じます。
使い方は…注意しないと、張仲景の傷寒論を読むことも大切かな。
風邪にかかってから…死ぬまでの病気の変化の激しさ。
身体がダイナミックに動いているという姿を実感して欲しいと感じます。

PS:今回は大学の友人が教えてくれた曲です。
  彼は亡くなってしまったけど…ギターの弾き方も教えてくれた。
  自分に取っては…大切な曲です。


Source: 病気って…なぁに?

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