神の詩 第一章二十六節 その2

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神の詩 第一章二十六節 その2

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続きです。

「両軍の、父達、祖父達、師匠達、叔父達、兄弟達、従兄弟達、息子達、孫達、義父達、友人達の・・・」

これらは
すべて私たちの心の中の性質を象徴しています。

両軍とは、
自分の中の善い性質と悪い性質を意味しています。
これから先の文節もすべて同様です。

祖父たちとは、
自分の過去世から培ってきた自我のことです。

自我は、
過去世からの積み重ねで形成されてきたものです。
特に直近三つの過去世の影響はより強く残っています。

本来は、
祖父たち(過去世から培った特質)と祖母たち(過去世からの性格)なのですが、
ここでは戦場としているため男性方にまとめています。

私たちは誰もが、
善い自我と悪しき自我の両方を持っています。

善い自我が優性であれば、
善い行いや瞑想へと向かわせ、
悪しき自我が優性であれば、
悪い行いや物質的欲望を強める方向へと向かわせます。

ギーターでは、
それらの自我を、
世代を受け継いで継承されてきたものという観点から
「祖父たち」
で表現しています。

父達は、
プラーナ(生命エネルギー)とナディ(生命エネルギーの経路)。
(母達は、ナディ)

義父達は、
プラーナ(生命エネルギー)を動かす知性と理性。
(義母達は、理性)

先に述べた通り妻であるドラウパディーはクンダリーニの火であり、
カウラヴァ5人兄弟は、
クンダリーニの火が通る霊的中枢です。
アルジュナたち霊的中枢は、
父(プラーナ)と母(ナディ)によって作られました。

また、
義父(プラーナを上に引き上げる意志)によって、
妻(クンダリーニの火)と霊的中枢(アルジュナたち)が会ったことになります。

実際に
妻ドラウパディーの父(アルジュナの義父)は、
ドラウパディーをアルジュナと会わせたかったことが記述されています。

叔父達は、
地上世界でのマーヤ(幻想)と分離感によって作り出すプライドなどの性質
の象徴です。

兄弟達は、
パーンダヴァ兄弟たちは識別して自己制御する能力、
カウラヴァ兄弟たちは無智無明の象徴です。

息子達は、
霊的資質の象徴であり、

孫達は、
感情や行動から生まれる良い欲求や悪しき欲求、
神や悪魔を知覚する力を象徴しています。

友人達と同士達は、
善い習慣と悪い習慣の象徴です。

師匠達は、
それらの習慣を刺激する性質の象徴です。

すべての人との関係性は
自分の中に照らし合わせてみることが出来ます。

「本当のあなたには、母も父も無く、親類縁者も無く、妻も子も友もいない。好き嫌いすらない。それなのに、どうしてあなたは苦悩に満ちているのだ?」アヴァドゥータ・ギーター1-63

人は、
瞑想を始めてしばらく経った頃から、
これらの善い性質と悪い性質の
どちらが優勢になるまでの戦いが始まります。

アルジュナの悲哀は、
この戦いにより
「自分」だと思っていたものを止滅することにより、
自分というアイデンティティを失うのが怖いのです。

これは
霊的には未熟な見解ですが、
アルジュナの心境は
まだそのことを理解していない段階を表現しています。

アルジュナは、
今まで慣れ親しんできたこれら善と悪をしっかりと見極めて、
戦いによって善側の勝利に尽力しなければなりません。

霊性を高めていくために、
まずは
自分のエネルギーを正しい秩序の元にまとめて、
無駄に消耗することを防ぐ必要があります。

それによって
エネルギーが神に向かって一つに集約されていきます。

「無智の本質と超越的な智慧の本質を並行して学ぶことのできる者のみが、輪廻転生の輪を超越して、不死の至福の境地を味わうことが出来る。」イーシャ・ウパニシャッド

次は
「アルジュナは対時する同族の軍隊を見渡して、深い悲しみに陥り、悲痛の思いで言った。(二十七)」


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神理の扉 聖なる変容と霊性進化の道

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光田秀&森井啓二
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2020-04-12


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Source: ひかたま(光の魂たち)

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