人それぞれの痛み。

「“手術の傷”って、
 どれくらい経てば痛くなくなりますか?

 私、手術をして2か月なんですけど、
 まだ痛いんですよね」――

“2か月”じゃ、
まだ痛みがあってもおかしくないだろう

私は時々、まだ痛む

「さすが、命にかかわる病気の手術だ」

と、思う

腋窩リンパ節郭清の痕は、
おっぱいを切った傷よりもっと痛む

寒ければズキズキ

夏でもなぜかズキズキ

季節の変わり目もズキズキ

乳がんがわかる半年前に切った、
下腹部の10cmの傷の方が痛まない

私が乳がんの手術をして
2年が経った頃に出逢った女性

その女性も乳がん

1か月ほど前に手術を終え、
腋窩リンパ節郭清もしていた

その頃、私はまだ痛みと皮膚の麻痺に
不自由な思いをしていたのだが、

彼女は、

「“リンパ取ったら痛い”って聞いてたんだけど、
 私、全然痛くないんだよねー」

と、言っていた

「そんなことがあるのか!!」

と、私が術後1か月のときは痛みに苦しみ、
その当時もまだ痛みが残っていただけに、
驚きの事実であった

『同じ薬を使っても、
 副作用の出方は人それぞれ』

そう言われているように、
手術の痛みもそれぞれのようだ

私は局所麻酔が効かないことを考えると、
もしかすると、
他人より痛みを強く感じやすいのかもしれない

「今でも痛むよ」

そう言っていいのか悪いのか、
正直、答えに悩むことがある

「でも、痛みは人によって違うから」

と、付け足すのがいいのかもしれない――

  乳がんではない人には、
  「今でも痛む」と、
  堂々と言えるのだが...

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Source: りかこの乳がん体験記

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