先日,当院を贔屓にしてくださっている女性ピアニストのYさんから,世界を股にかけて活躍されているジャズピアニスト小曽根真と上原ひろみのコラボによるコンサートのチケットをいただき,兵庫県立西宮芸術文化センターに行ってきました.
今春没したチックコリアの愛弟子である2人の演奏はもちろん素晴らしいのひとことでしたが,特に息のあった連弾の超絶技巧ぶりはまさに神業で,アランフェス協奏曲をジャズアレンジしたアンコール演奏が終わった時は,スタンディングオベーションが鳴り止みませんでした.
長らく続くコロナ禍は,飲食業や観光業と同様,文化芸術界へも計り知れない影響を与え,演奏会などの場を失ってしまった音楽家の人たちは大変な苦労を強いられています.
当院は,Yさんの他にもヨーロッパを中心に演奏活動をされている女性ピアニスト I さんや,神戸出身の新進気鋭の女性若手チェリストSさんなどの音楽家もご利用いただいています.
彼女たちの演奏会にも何度か招かれ足を運びましたが,いずれも涙ぐましいばかりの感染対策を施して開催されていて,コロナ禍の中,少しでも音楽活動を続けていきたい,そして音楽を通じて社会貢献したいという思いが滲み出ていまし,私も芸術の火を絶やさぬために少しでも応援できたらという思いを新たにしました.
ドイツのような国では,コロナ禍で仕事を失った音楽家にも手厚い補助金が出ているとのこと,もちろん日本とは国の事情が違うとはいえ,社会における芸術活動の位置付けがいかに高いかということであり,日本でもそうあってほしいと思います.
やはり音楽に接することは決して贅沢なことでもなんでもなく,人の心を癒したり勇気づけたりする力を持つという意味ではある意味医療とも通じるものがありますし,それを生業とする音楽家の人たちは,私たちの生活になくてはならない立派なエッセンシャルワーカーと言ってもいいという思いを強くしています.
さて,第5波もようやく収束して来月からいよいよ緊急事態宣言が全国で解除,ワクチン接種も国民の7割を伺う勢いで,抗体カクテルなどの重症化予防戦略も徐々に確立,また日本を含め各国が凌ぎを削っている抗ウィルス薬も近日中に承認される見通しになりました.
もちろん今後第6波が来る可能性は否定できず,より強靭な医療体制の再構築などまだまだ気は抜けないものの,少し長いトンネルの向こうに小さな出口が見えてきたと言ったところでしょうか.
クリニックでのワクチン接種は今月末までのクールでいったん終了としましたが,今後も発熱患者や濃厚接触者へのPCR検査や,集団接種会場,軽中等症の方が入所している療養型施設への出務,コロナの後遺症に悩む人たちの治療等で少しでも貢献していくつもりです.
自民党も新しい総裁となり来月からは大きく刷新された新内閣が発足する見込みです.コロナ禍でズタボロになってしまった我が国が1日も早く立ち直れるよう奮闘していただきたいと思います.
Source: Dr.OHKADO’s Blog
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