おはようございます。
当ブログの読者の方から以下のご質問をいただきました。
元癌患者の悩みを聞いて下さい。(今の運用状況健全でok?)
いつもブログで勉強させていただいており感謝しております。
私61歳、妻59歳 実母91歳 別棟「長女家族3名」
家族中心の家族会社の代表取締役社長 創業54年
2011年5月 肝内胆管癌 手術後胆汁漏れ。それによる胆管狭窄による 胆管炎に度重なる入退院。病と闘っていました。
やっと2年前から発病前と 同等のふるまえが可能に社会復帰も実現、孫も2名誕生。体内の管、生涯定期的な入れ替え入院が必要。狭心症歴あり
お金のことで相談させて下さい。
詐欺師にだまされ250万被害にも会いました。
それ以上に課題は本業の不振です。
地方いや日本中ですが消費力は弱いです。
小売業のオーバーストア、人口減少、節約志向、従業者1人あたりの生産性 先進国断トツの最低(お客様神様の弊害)
長年の治療中心の影響も有り夫婦2名で230万/年と低収入です。
幸いにも東京都心6区を中心に東京都内駅徒歩6分以内に区分マンション所有(借り入れなし) 満室時家賃収入 38万/月
家族保有金融資産 2億2100万
商人の家にうまれ、商人として全うしたいのだが、健康が、世の中がそれを許してくれそうもありません。
せめてお金に困らない今後の人生を歩みたいと思っています。
東京の不動産は「財産」としてそのまま持続し、紙の運用は一部個別株もあるがインデックス(ETF・投信)株式70債券30の配分 900万ほど運用
商売をたたんだ場合、今の運用状況で健全でしょうか。
店というのはたたむ費用は開店する費用と同等の費用が必要です。
6000万円ほど必要かこれが課題。
予後が悪い胆管癌で社会復帰も実現できていることにはとてもとても感謝しております。
よろしくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
50代で肝内胆管がんに罹患されたとのことで、さぞ大変だったかと思います。
さて、商売をたたんだ後のお金の心配についてのご相談ですが、私ならば以下のように考えます。
60代からの投資はキャッシュフローとリスク管理を強く意識しよう
60代からの投資で重要なのは、
1) 毎月のキャッシュフローが毎月の支出を上回っているか
→(家賃収入+年金収入+配当収入)>(毎月の支出)ならば安心です
2) ディフェンシブに十分量のキャッシュを確保すること
この2点です。
満室時家賃収入の70〜80%+年金収入で生活可能ならば健全です
東京都心6区の駅徒歩6分以内の区分マンションを借り入れなしで保有しているというのは大きな強みですね。
東京都心といってもどの区かによって今後の値動きには差がありそうですが、駅チカという競争力がありますので、今後衰退しうる地方都市の不動産と比べると安心感があります。
運用状況が健全か否かについては、金融資産の総額も重要なファクターではありますが、もっと簡潔に論じるならばキャッシュフローに焦点をあてることになります。
端的に言えば、(家賃収入+年金収入)の総額が家計支出を上回っていれば当面安心でしょう。
安全域を広めに見積もって、満室時家賃収入の70%〜80%でシミュレーションしておけばより安全と言えます。
幸い、満室時家賃収入が38万円/月ということですので、この部分が将来に渡ってどの程度安定しているかのシミュレーションが最重要です。
ペーパーアセットに関しては十分量のキャッシュ確保が最優先です
お年が60歳で、肝内胆管がん術後、狭心症の持病持ち、廃業に6,000万円近い費用が必要とのことですので、ペーパーアセットに関してはリスクを取りすぎないように十分に注意が必要です。
幸い、家族保有金融資産が2億以上あるとのことですので、まずは十分量のキャッシュを確保することを最優先します。
無リスク資産に関しては、
1) 銀行預金
2) 個人向け国債変動10年
のいずれかでよいでしょう。
私は普段は国債をあまり勧めないのですが、本ケースのように多額のキャッシュの置き所としては大変優れていると思います。
銀行に関しては、ペイオフ制度の保証額が1,000万円までですので、あまり多額のキャッシュを集中させたくはありません。
リスク資産に関してはVT一本で勝負します
その上で、リスク資産に関しては株式インデックスへの投資がよいでしょう。
私ならばスパッとドル転してVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)を購入します。
VTIなどの米国インデックスや、VWOなどの新興国インデックスも魅力的ではありますが、リタイア世代に一本だけおすすめするとしたら迷わずVTです。
年齢が上がれば上がるほど、個別株リスクだけでなく、個別のカントリーリスクすら排除してシンプルに世界経済の成長に賭けるのがベストだと思います。
私自身も、両親に投資に関するアドバイスを求められたら、
「絶対に生活に困らないだけのキャッシュを確保した上で、一時的に50%に下がっても許容できる金額をVTへ投資」
とアドバイスします。
ただし、この「十分量のキャッシュを確保」という前提が崩れますと、ただのリスキーな投資になりますので注意が必要です。
まとめ
家賃収入と年金収入をあわせた金額が毎月の支出額を上回っていれば、キャッシュフローの観点から当面は安心です。
投資に関しては、私はリタイア世代にはVT以外は勧めません。
【SBI証券】
VTなどの海外ETF投資ならば、為替コストが有利な住信SBIネット銀行+SBI証券の組み合わせがおすすめです。
こんな記事も書いています。
投資の最大の敵の1つはコストです。長期保有になればなるほどコスト差が物を言います。
投資信託とETFの違いとしてコスト差に焦点が当たりがちですが、投資規模が大きくなるにつれてETFを保有した方がよいと思います。
VTの買付方法ですが、私ならば月1万ドル〜2万ドルずつ積立投資を行います。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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