“乳がん”という病は、
様々な禍根を残す
おっぱいを失い、
治療の副作用に翻弄され、
その体調不良は長く続く
治療によっては髪が抜け、
爪も変色
味覚障害に陥れば、
食欲もなくなる
そこに腋窩リンパ節郭清が加われば、
○重い物は持てない・持ってはいけない
○腕を締めつける服装は避ける
○腕を締めつけるようなアクセサリーも避ける
○採血・血圧測定は術側の腕ではしない
○虫刺されに気をつける
○過度な日焼けをしないように
○土いじりはゴム手袋をする
○清潔に保つ
○保湿をする
...など、
一生注意しなければならないことが増える
いや、それより、なにより、
腕が動かない、
挙げられない、
力が入らない
術後は、腕が90度も上がらない
主治医が術後のリハビリ書に、
『挙上障害』
と、書いていた意味がわかった
“90度しか上がらない腕”というのは、
“わきが開かない”から
なので、この格好ができなかった
⇩
これができるようになったのは、
術後3~4...いや、5年か...
実は今でも、“普通”にはできない
おっぱいが引っ張られる感覚や痛み、
わきの下のつっぱり感がある
手術をする前と同じには、
きっと戻れないのだと思う
それでもここまでできるようになったのは、
おそらく毎日、
腕のストレッチを続けていたからだと思う
そして、今でもできないことがある
それは“ひじをつく”こと
腋窩リンパ節郭清で感覚のなくなった場所は、
○わきの下
○おっぱい
○鎖骨周辺の皮膚
○肩甲骨周辺の皮膚
○上腕の皮膚
年月の経過とともに、
感覚が戻ってきた皮膚
が、
ひじの上あたりの皮膚がなかなか戻らない
なので、ひじをつくことや、
ソファに座ったときの
背もたれにひじが当たるのが非常に不快だ
たぶん、こればかりは、
もう治らないと思う
季節の変わり目やこれからの寒い季節、
なんでもないときの、
わきの下や肋骨の痛みもきっと一生もの
「“がん”って、やっぱり大変な病気なんだ」
と、思う
「“乳がんの手術”って、命と引き換えに、
多くのものを犠牲にするものなんだ...」
と、思う
やっぱり“がん”って、簡単じゃないと思う
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Source: りかこの乳がん体験記
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