深刻な未来:海鳥がプラスチックを食べる理由

その他
英政府は、
2042年末までに英国内でのプラスチックの使用を抑えることを目指す環境対策を発表しました。
レジ袋の有料化対象を拡大し、
商品プラスチック過剰包装の見直しを促すなど
やれることはたくさんありそうです。

世界的には
プラスチック製品ボイコットの象徴として
ストローいらない運動が拡がっています。
(ひかたま:ストローいらない

本当にコンビニをはじめ
さまざまな場所で提供される使い捨てのフォークやスプーン
飲み物についてくるストローなど
環境に悪いものがたくさん出回っています。

英政府は今週
微細プラスチック粒子「マイクロビーズ」を含む製品の製造禁止を発表したばかりです。

これは日本では
環境に悪いことを知りながら
大々的に販売している製品です。

(ひかたま:見えない汚染:マイクロプラスチックと「木喰草衣心似月」

現在
ほとんどの海鳥たちが
プラスチックを飲み込み
深刻な健康被害が起きています。

plastic-bottles-ocean-pollution-13-728slideshare.net

亡くなった鳥の体が朽ちてくると
体内のプラスチック片があらわになります。

海鳥のプラスチック片による汚染率

1962年には5%未満でしたが、
2010年には80%以上に上昇し
現在90%と推定されています。

2050年までには99%になることが予想されています。
birdtheturnips.net

現在のペースで続くとすると
近い将来
世界中の海鳥たちにとっても
海の生態系にとっても
そして
私たち人間にとっても
とても深刻な未来が待っています。

これは
明らかに人間の責任なのですが

とても頭が良いはずの海鳥が
このようにプラスチック片を食べてしまう
ことには
理由がありました。

その理由を調べた論文が発表されました。
Matthew S. Savoca, et.al.
“Marine plastic debris emits a keystone infochemical for olfactory foraging seabirds”

kkkadvances.sciencemag.org

鳥類の知能は一般的にとても高いことが知られています。

プラスチック片を誤食についても
それが餌ではないことを
すぐに理解するはずですが、
何故か積極的に食べてしまうことが今までは謎の一つとされてきました。

研究報告によると
ある種の海鳥の嗅覚は、
一般的にとても鋭く、
臭いでエサを探しています。

研究チームは、
最も一般的に使われているプラスチックである
「高密度ポリエチレン」、
「低密度ポリエチレン」、
「ポリプロピレン」
の3種類のプラスチック片をネットに入れて
北米のモントレー湾とボデガ湾内の海上に固定して、
3週間後にその状態を調べています。

その結果、
各プラスチック片の表面からは
相当な量の「ジメチルスルフィド」が検出されました。

このジメチルスルフィドは、
海藻やプランクトンが放出する物質で、
いわゆる 「磯の匂い」 を構成する主な分子の一つです。

海鳥の一部は
餌を探す際に
このジメチルスルフィド臭を頼りに探している可能性が高いと言われています。

海鳥が
この臭いを手がかりにして餌を探しているとすると、
プラスチック片を間違って飲み込んでしまうことは容易に予想がつきます。

つまり
海に漂うプラスチック片は
美味しい匂いを発してしまうのです。

海に浮遊するプラスチックは、
最も少なく見積もった場合の試算で
「5兆2500億個」
総重量は「26万8960トン」
と推定されています。

誰でも
身の回りで出来ることがたくさんあります。

こちらも
ひかたま:見えない汚染:マイクロプラスチックと「木喰草衣心似月」
ひかたま:マイクロプラスチックの深刻な汚染
ひかたま:海のゴミ:美しい地上の楽園モルディブの裏

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君が代から神が代へ 下巻
森井 啓二
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2017-12-18



Source: ひかたま(光の魂たち)

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