「一瞬で財産失った」コロナ禍で“国際ロマンス詐欺”急増
2022年4月17日 18時26分SNSなどで知り合い、恋愛感情を抱いた外国人を名乗る相手に一度も会わないまま多額の金をだまし取られる。
「国際ロマンス詐欺」とも呼ばれる、この手口の被害相談が急増しています。
最近は暗号資産による投資を持ちかけられるケースが多く、実情に詳しい専門家は、コロナ禍での孤独感の広がりが被害が相次ぐ背景にあるとして注意を呼びかけています。
国民生活センターによりますと、マッチングアプリや出会い系サイトで知り合い恋愛感情を抱いた相手から、投資を持ちかけられるなどしてトラブルになったという相談が急増しています。
2019年度は全国で5件にとどまっていましたが、2020年度は84件、昨年度は192件と40倍近くになっていて、コロナ禍で一気に増えたことが分かります。相談を寄せるのは男女ともに30代と40代の割合が高く、目立つのは外国人を名乗る相手から最終的にビットコインなどの暗号資産による投資を持ちかけられるケースです。
ネット上の投資サイトを紹介され、指定の口座に送金したものの途中で出金できなくなり、相手とのメッセージのやり取りも突然、途絶えます。
「国際ロマンス詐欺」とも呼ばれるこの手口、国民生活センターは、使われる投資サイトはほとんど実態がつかめず、被害回復は容易ではないとしています。
実情に詳しいNPO法人の理事長、新川てるえさんは、被害相談が急増している背景について「コロナ禍で出会いの場が減る一方、ネットに出会いを求める人が増えたためではないか」と指摘していて、トラブルに巻き込まれないよう注意を呼びかけています。
30代女性 暗号資産を使った投資勧められ
NHKの取材に応じた30代の女性。
去年の夏、ある男性とマッチングアプリを通じて知り合いました。失恋、そして1人で子を育てることへの不安から、新たな出会いを期待していました。
韓国人と名乗ったその男性のプロフィール写真が魅力的だったと振り返る女性。
マッチングアプリとは別のSNSの連絡先を交換し、メッセージのやり取りが始まりました。 はじめは互いの好きなものや仕事の話など何気ないやり取りが中心でしたが、そのうち、片言の日本語で「好きだ」「幸せになろう」などと甘いことばをささやかれるようになります。男性は同時に「昼は会社に勤め、夜は投資で稼いでいる」としたうえで、「きょうの取り引きで数十万円もうかった」などと、投資の魅力を女性に伝えるようになったと言います。
知り合って10日後。
男性が勧めてきたのは暗号資産を使った投資でした。あるサイトを紹介され「ここで自分の指示どおりに暗号資産を売買すれば、短期間で年収1年分が稼げる」と促されました。
女性がこのサイトを通じて5万円分の暗号資産を送金したところ、数時間で4000円の利益が出たということです。
「さらに投資すればもっともうかる」。
利益が出て相手を完全に信じるようになった女性は、子どもの教育費や老後の備えとして蓄えていた預金の全額に加え、借金までして600万円分の暗号資産を送金したということです。女性は「子どもに金銭面で苦労をかけたくないという思いもあり、目がくらんでしまった。今思えば一目ぼれしていて、『言うことを聞いたら好きになってくれるかな』という気持ちも手伝って、完全にマインドコントロールされていた」と当時を振り返りました。
しかし、そのおよそ1か月後。
女性が投資した暗号資産を引き出そうとしたところ、サイトの運営者から税金の名目で200万円余りを請求されます。「まさか詐欺では」。
男性にメッセージを送り問いただしたところ、突然、連絡が途絶えました。投資サイトにもアクセスできなくなり、振り込んだ資金が戻ってくることはありませんでした。
「一瞬で財産を失ったうえ、借金だけが残ってしまい、目の前が真っ暗になった」と話す女性。自己破産せざるをえませんでした。
女性は「世の中うまい話はないし、人を信じすぎてはだめだと思いました。相手も憎いし子どもにも申し訳ない気持ちでいっぱいです」と悔しさをにじませました。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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