最初に行うのが「正しく立つこと」だ。山本も通い始めた際、ここから取り組んでいる。
「自分では真っすぐ立てているつもりでいたんですけど、まったくそれはちゃんと立てているとは言えなくて。『これ、真っすぐ立てていないんだ』というところから始まりました」なぜ、「正しく立つこと」が重要なのだろうか。矢田の解説には以下のように書かれている。
<正しく立てない者は、正しく歩くことはできない
正しく歩くことができない者は、正しく走ることはできない
正しく走ることができない者は、正しく投げることはできない
正しく立つには、正しい呼吸と集中が大切>正しく走ることの重要性は、球界でも広がりつつある。例えば阪神や西武は春季キャンプなどで走りの専門家を招き、走り方から指導してもらっている。
子どもの頃から野球をしてプロになるような選手は、基本的に身体能力に優れ、周囲より速く走れる者が多い。反面、その道のスペシャリストに言わせると、「野球選手は『正しい走り方』を身につけていない場合が少なくない」。
実際、西武が昨年10月の入団テストで10mや20m走でアジリティテストを行った際、視察した専門家は「ほぼすべての選手が正しい動き方をできていない」と評した。野球選手の多くは自分の感覚だけでプレーして、身体をどう使えば効果的に力を発揮できるかを学んでいないのだ。
以上を踏まえると、山本が矢田の下で行っているアプローチの方向性をイメージしやすいかもしれない。「身体知」、つまり自分の身体の声に耳を傾け、どうすればより良く動けるようになるかを探っていくのだ。
Source: 身体軸ラボ シーズン2
コメント