薬局の扉を開け中へ入ると、
社長はいなかった
その代わり40代くらいの男性と、
薬剤師と思われる女性が2人
社長ももう歳だし、
息子さんに代替わりしていたようだ
やはり最初に
問診票にいろいろと記入させられた
当然のことながら、
乳がんのことも書いた
服用している薬の欄には、
“タモキシフェン”
私が提出した問診票を見ながら
女性の一人が
随分と分厚い本を書棚から取り出した
たぶん薬が載っている本だろう、
一生懸命なにかを探していた
が、なかなか見つからないようだった
『もしかして、
“タモキシフェン”を探しているのかなぁ...』
と、思ったが、薬剤師なら
その薬の名前くらい知っているだろう
乳がんだって珍しい病気じゃない
ホルモン療法を受けている人も多いはずだ
私が飲んでいる薬の正式な名前は、
“タモキシフェン”ではなくて、
“クエン酸タモキシフェン”
問診票に、
正式名称の“クエン酸タモキシフェン”でもなく、
商品名の“ノルバデックス”でもなく、
簡単に“タモキシフェン”と書いたのが
いけなかったのだろうか
女性はカウンターの中から
分厚い本を手にしたまま
少し離れたところに腰かけている私のところへ
やってきてこう聞いた
「“タモキシフェン”...ですよね?」
しかも、
“タモキシフェン”とはっきり言えず
少し噛み気味だ
「はい」
そう答えたが、
たぶんこのままでは埒が明かない
「商品名は、“ノルバデックス”です」
と、つけ加えた
女性は、
「“ノルバディックス”...」と復唱しながら
本に目を遣っている
「あ...、
“クエン酸タモキシフェン”って
書かなかったから駄目なんですかね?」
と云ってみると、
奥にいたもう一人の女性が、
「なにか、そういう関係のかたですか?」
と聞いてきた
「いいえ。自分の病気のことなので...」
病気をすれば、
知識は自然と身についてくる
それは、いいことも悪いことも
それに自分の病気のことだ
薬の名前くらい知っておきたい
そのあと社長から、
しこたま長~い薬の説明
『お腹が空いた。
早く家に帰ってお昼ごはんを食べたい。
痛み止めを飲みたい』
家に着くと、
すでに午後3時になろうとしていた
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Source: りかこの乳がん体験記
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