がんがわかったとき、
「どうしよう」
と、狼狽え、
「私、死ぬの？」
「私、いつまで生きられるの？」
と、怯え、
これからどうなるのか、
先のことが全く想像できなかった
想像できたのは悪いことばかり
“がん”という病はやっぱり怖い
“死”を連想させる
自分がどんな最期を迎えるのか、
何度思い描いたかわからない
弱かった心
毎日、泣いていたあの頃
が、少しずつ、
がんとのつきあい方がわかっていく
少しずつ元気を取り戻してゆく
笑えなかった日々に笑顔が戻り、
食べられなかったごはんも
おいしくいただけるようになる
「がんになったことは悲しいこと」
から、
「がんになったからこそ、できること」
に、気持ちは変化してゆく
そして、
「こんな私でも、
誰かの役に立てるだろうか」
「こんな私でも、誰かの役に立ちたい」
と、思うようになる
あの日の弱い心が、
どんどん強い心へと進化してゆく
がんが強くしてくれた
いや、強くなければ
がんとは闘っていけない
がんのことが頭から離れないのは
当たり前
頭から離れないどころか、
24時間、“がん”、“がん”、“がん”．．．
テレビから
「がん」という言葉が聴こえてきたら
振り向いてしまうのも仕方のないこと
がんのこと、
思い出さないようにしようとしても、
難しい
忘れようなんて、もっと無理
でも、
24時間、がんのことで頭がいっぱいでも、
少しずつ、
楽しいことを考える時間で埋められてゆく
ひとは、
立ち止まってばかりはいられないから
ひとは、歩幅は小さくても、
一歩一歩、前に進んでいるから
泣きたいときは泣けばいい
うしろを振り向きたいときは
振り向けばいい
下を向いても、
後ろに下がっても、
それは上を向くための準備期間
先に進むための小休止
“がんと闘う”って、
きっとそんなに楽じゃない
だから、ときどき泣いてもいい
だから、楽しいことしたい
だから、おいしいものも食べたい
一度の人生、後悔したくないよね
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Source: りかこの乳がん体験記
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