ザイタクを求め、病気に家族で向き合い過ぎ、苦しみ藻掻いていることが時々ある。
心が病んだり、認知機能が低下したり、脳転移であったり、交通外傷だったりで、
高次脳機能障害があると尚更だ。ご本人もご家族も、医療の存在を中心に置きすぎて、
ザイタクを諦め、医療依存(薬)のみや、真逆の医療拒否になってしまうことがある。
患者さんやご家族が中心となり取り組むザイタクは、
医療者中心の在宅医療の提供の形だけでは成り立たない。
患者さんが中心に、生きることを楽しむ。
人と人の繋がりを大切に、社会参加される。
具体的には、旅をしたり、仕事をしたり、だ。
僕らザイタク医療に取り組むものは主役であってはならない。
常に脇役で、常に黒子で、社会参加のサポートができればよい。
半年前に大腿骨頸部骨折のおばあさん、心の病もあって、
過去の強制入院のトラウマもあって、入院治療は断固拒否。
同居のおじいさんは、左不全片麻痺で自身のことで精一杯。
だけど、だ。この二人暮らし。めっちゃ凄いんだ。
周りで支える息子さん達ももちろん凄いんだが、
この二人がホント、『ザイタク』を地で行く。
這っていくおトイレも、かつてのトマト農家の自慢話も、
狸の置物を気にするところも、しがみついて一日2回入るお風呂も、
ほんとめっちゃ凄いんやけど、今週の診察の時、更に驚いた。
先生、こっち来て見、このシャクナゲ。
こうやってな、アカン所の葉っぱ取ってな、
紐で束ねてな、ほらこうなったで。ワシがやったんちゃうで。
あいつがな一人這うて行ってな、庭でなシャクナゲとか花な、切ったんや。
明日、道の駅持っていってな、置いてきたろう思うわ。売れるで。
午前中に、這って庭にいき、シャクナゲを摘む?!
道の駅への出荷の準備のお仕事をされたそうだ。凄すぎる。
これがザイタクだ。医療は殆ど要らない。むしろ、
医療の介入がザイタクを壊すことだってあっただろう。
ご本人のリビングウィルや尊厳は、きっと、こうなんだ。
医療なんてなかった方が上手くいく。仕事があることも大切だ。
ザイタクを学ぼう。まだまだ、ここからだ。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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