おはようございます。
資産形成の基本中の基本は何かと聞かれたら、迷わず「給与天引き貯金」だと答えます。
基本的に人間は何十年先の遠い将来を見通すのは苦手であり、せいぜい数週間〜数カ月後の未来を想定して毎日の生活をしている方が大半です。
よって、手元にあるお金は際限なく使ってしまう性質があり、普通の人は自分の意思の力だけで貯蓄できると考えないほうが賢明でしょう。
本日は「給与天引き貯金」の重要性について確認します。
「給与天引き貯金」すらできない人が大多数なので普通にやれば資産形成は楽勝
1. 年代別貯蓄額データの「中央値」が恐ろしいことに
以下が「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)」の結果に基づいた、単身世帯と二人以上世帯の年代別貯蓄額のデータになります。
「平均値」を見ると皆そこそこ貯金しているなという印象を受けますが、「中央値」を見るとその景色は大きく変わってきます。
平均値と中央値の間にこれだけ乖離があるという事実は、
・日常的に貯金をしている家庭には桁違いの貯金がある
・貯金する習慣がない家庭の貯蓄額は300万円に満たない
ことを意味します。
めちゃくちゃ貯蓄をしている一部の世帯が平均値を大幅に引き上げていると言えますね。
2. 自分の口座に入ってきたお金は後先考えずに使い切ってしまう方が大半
上記の統計データを見れば、普通に生活していてはまともに貯金をするのは不可能とすら思えます。
実際、自分の口座に入ってきたお金は後先考えずに全て使ってしまうという方が多いのでしょう。
もしそうでなければ、いくら若い頃は年収が低いケースが多いとは言え、「20代・単身世帯の貯蓄の中央値が20万円」になるとは考えられません。
この事実を踏まえますと、よほど貯蓄に対する意識が高いごく一部の人を除き、自分の意思の力だけで貯蓄ができると考えない方がよさそうです。
3. 「給与天引き貯金」で今すぐに使うお金と将来のためのお金を分ける
定期的に貯蓄を増やしていくことができなければ、それより先の「投資」の話に進むことが永久にできません。
よって、資産形成を始めようと考えた時に真っ先にやるべきことは「給与天引き貯金」です。
給与明細を見れば一目瞭然ですが、我々が日常受け取っている給料(手取り)というのは、全収入から所得税や住民税、年金保険料、健康保険料などを差し引いた金額になっています。
これと同じように、投資など将来のためのお金を自動的に天引きして日常生活に使うお金と分けて保管する「給与天引き貯金」を強くオススメします。
具体的には、毎月の給料が振り込まれる生活用の口座とは別に、貯蓄専用の口座を用意し、そちらの口座に毎月自動で一定の金額が振り込まれるように設定するのがよいでしょう。
まとめ
世の中の大半の方が、資産形成の基本中の基本である「給与天引き貯金」すら実践していないことがよく分かるデータでした。
逆に言えば、「給与天引き貯金」を習慣化するだけで世の中の90%以上の方をリードできる可能性があります。
そこにインデックス投資を組み合わせれば上位5%には入るでしょう。
【Kindleセールのおすすめ本2選】
1. コード・ブレーカー
ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」を題材としたサイエンスノンフィクションの傑作です。
近年の生命科学の進化スピードは驚くほど速く、10年後〜20年後の医療がどうなっているか私たち医師でも予想できません。
2. 嫌われた監督
中日ドラゴンズの元監督、落合博満氏のスポーツノンフィクション。
賛否両論が分かれる落合氏ですが、勝敗に徹底的にこだわる姿勢、プロ意識は凄まじいものがあります。
鈴木忠平さんの文章が大変読みやすく、一気読み必至の名作です。
【関連記事のご紹介】
将来のお金に関する不安は感じているけれど、実際の行動は起こさない人が大半であるというアンケート結果です。
上でご紹介した『睡眠こそ最強の解決策である』の書評です。
長期投資成功の鍵は「握力」と「忍耐力」にあります。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
コメント