与え合う関係:サハラ砂漠とアマゾン熱帯雨林

その他

サハラ砂漠。

アフリカ大陸の3分の1近くを占める世界最大の砂漠です。
1,000万km2

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一方
アマゾン熱帯雨林
世界最大面積の熱帯雨林です。
550万km2

6018178landmarkssapm.weebly.com

水がなく荒涼としたサハラ砂漠と
水と生命に満ちたアマゾンの熱帯雨林は、
大きな大西洋を挟んで存在し、
全くの別世界のようです。

でも
この2つの世界は
実は密接に繋がっているのです。

これはサハラ砂漠の衛星写真です。
砂嵐が
大西洋に向かって吹いている様子がよくわかります。

nafricadust_tmo_2008020earthobservatory.nasa.gov

このサハラ砂漠の砂は
気流に乗って
広い大西洋を横断して、
アマゾンへと降り注ぎます。

africandust_vir_2014175earthobservatory.nasa.gov

アマゾンの最大の長所でもあり、
大きな短所でもあるものとして
膨大な量の雨があります。

雨の量が多いために
植物の生育に必要不可欠であるリン
大きな川に入り
熱帯雨林から失われていくのです。

その喪失量は
年間2万2000トンにも達すると推定されています。

アマゾンの生命維持に必要なリンを補っているのは
どうやら
サハラ砂漠であるということが最近の研究でわかってきました。

サハラ砂漠は、
かつては広大な森林地帯であり、
ミネラルが豊富に含まれていたのです。

特に
チャド共和国中央部にあるボデレ低地と呼ばれる
リンの豊富な場所があります。

1klkwikipedia

ボデレ低地は
かつてチャド湖とつながる巨大な湖が存在していました。
そこには生物もたくさんいて、
それらが砂と共に堆積されています。

この大量の砂は
ハルマッタンと呼ばれる西アフリカ特有の貿易風によって巻き上げられ、
アマゾンにまで降り注いでいます。

この写真が
ハルマッタン。

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ハルマッタンが吹くと
周辺の都市では
視界がかすみ、太陽が見えなくなります。

研究者らが

NASAとCNESの地球観測衛星のデータから、
2007~2013年にかけての7年間のサハラ砂漠からアマゾンへ移動した砂の量を計算しています。

その結果、
この調査期間では、
平均で年間2770万トンもの砂が移動していたことが確認されました。

アマゾンにおいて河川から流出するリンの量は
この0.08%に相当しますので、
砂に含まれるリンの量によって
アマゾン川で喪失されるリンは、
充分に補うことができることが判明したのです。

リンはすべての生物の生育に必要不可欠な必須ミネラル。

アマゾンでは
サハラ砂漠の存在によって
持続可能となっていたのです。

さらに
サハラ砂漠は
大西洋の生態系に必要な分を供給していることも判明しています。

研究者らは、
北大西洋の24ヶ所で海水を採集し、
そこに含まれる鉄の同位体54Feと56Feの量を調べて、
鉄の由来を同定していきました。

54Feと56Feの構成比は、
地球上の各所において濃度が微妙に異なるために
鉄がどこの土地に由来するのかがわかるのです。

その結果、
北大西洋の海水中の鉄分の
70-90%が
サハラ砂漠由来のものでした。

サハラ砂漠の砂が風で北大西洋まで運ばれ、
海の中で溶解したものや
海底に堆積したものが海水に溶けだしたことになります。

海の水には
生物たちに必要な微量の鉄分が含まれています。

微量の鉄分が
海でもとても大きな役割を果たしています。

鉄は
海洋生物が生きていくために必要なヘモグロビン・ミオグロビン・シトクロムといった酵素の必須元素であり、
また
海の生態系を支える植物プランクトンにはなくてはならない元素なのです。

海水中の鉄の濃度は
植物プランクトンの量に密接に関わっているのです。

アマゾンの熱帯雨林の豊かな生態系も
大西洋の豊かな生態系も
どちらも
荒涼としたサハラ砂漠によって支えられていたのです。

一見、何のつながりも無いように見えて
実は
支え合っている。

それは
サハラ砂漠とアマゾンの熱帯雨林だけではありません。

すべての存在が
地球上で
与え合い、
支え合っている。

私たちの生活すべてにおいてもそうです。

以前ブログで一本の鉛筆について書きました。
一部抜粋します。

当たり前のように使っているたった一本の鉛筆が、
私たちの手元に届けられるまでには、
とても多くの人たちが関わり、
作られています。




「いっぽんの鉛筆のむこうに」
という子供向けの本があります。

この本では、
鉛筆の芯のために、
スリランカのボガラ鉱山の地下300mで働く男性とその家族の生活の話で始まり、

つぎに
鉛筆の軸の木のために
米国西部のシエラ・ネバダ山中でインセンス・シダーを切り倒すきこりの男性とその家族の生活、
その切り倒した大きな木をトラックで運ぶ男性たちとその家族の生活の話へと続きます。

切り出された木は
製材所でスラットと呼ばれる板に加工されます。
そこからトラックで港へ運ばれて、

コンテナ船に乗って太平洋を渡ります。
ここでも多くの人たちが関わっています。

船内でもたくさんの人々が働いています。
日本の港に到着したら、巨大な運搬車で、コンテナをトレーラーへと運びます。
スラットを積んだトレーラーは鉛筆工場へと運ばれます。

鉛筆工場で、
スラットは細かく裁断され、
六角形に加工されて、中に芯をはさんで鉛筆となります。
そこから、
木材表面を滑らかにする目止め、
下塗り、中塗り、仕上げ塗りと何度も塗装されて立派な鉛筆になります。
この一つ一つの工程にも
それぞれ専任の職人さんたちが関わっています。

そこからまた流通に乗って
文房具店へ運ばれて、
文房具屋さんの手から
私たちの手元に届きます。

たった一本の鉛筆の背景には、
たくさんの人が仕事で関わり、
その人たちにも、いろいろな生活があります。

それを一冊の本が語ってくれています。

さらに
現在使われている一本の鉛筆にたどり着くまでに
どれほど多くの人々が
工夫し、研究を重ねてきたことでしょうか。
最初は、木ではなく、紙で黒鉛を包んだのかもしれません。
木も、鉛筆に適したさまざまな木を試してみたのかもしれません。
今の六角形になるまでには、いくつもの試作品もあったことでしょう。

一本の鉛筆にも
多くの職人さんたちの知恵が凝集されています。

私たちの生活は
あらゆるものの存在のおかげで成り立っています。

誰も一人では存在できない。

今の時代
私たちはもう一度、
身の回りで当たり前に使われているものが
どんな原材料を使い、
どれだけ多くの人が関わっているのかを再認識してみることは
とても大切だと思います。

私たちが幸せに暮らせるのは、
限りない支えのおかげです。

着るものも、
住む場所も、
あらゆる道具も
誰かが考えて多くの人の協力があって、作ってくれたもの。

肉体として存在できるのも、
毎日生活できるのも
毎日自らの命を捧げてくれる動植物、
すべてを育む地球や太陽の無償の愛のおかげ。

すべては繋がりあい
与え合い
支え合っている。

人は支えられて生きていることを自覚したら、
いつも感謝を忘れない人になります。

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Source: ひかたま(光の魂たち)

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