二人の間にある愛は、ひとそれぞれの形があって良い。
僕より少し年上の彼には、肺癌と脳転移がある。
記憶がない言動に、ご本人はもちろんご家族も苦しまれる。
自分の存在意義を見いだせず、アチコチにお電話され、
居ても経ってもいられなくなって、時々家出をされる。
「生きている意味がない」「死にたい」の言葉を繰り返される。
記憶障害があって、幸か不幸か、その事をあまり覚えておられないが。
そんな精神症状の増悪が、化学療法の影響により出ているが、
彼の奥さんにとっても、彼自身にとっても、化学療法継続は『生きる』希望。
記憶障害の渦中、電話口で泣きながら終わりたいと言う彼も、彼。
今日みたいに穏やかな笑顔で、諦めず挑戦したいと言う彼も、彼。
そんな彼の全てを傍で見守る彼女の目に映る彼も、彼。
その時は残念ながら避けられず、
誰しも終わりが近づくのと同様に、彼にも近づいている。
やっぱり、今は、みんなで少しずつ覚悟を持つ必要がある。
俯いてる心。欲しいものは、そう、やっぱり「愛」だ。
ありがとうを、何度でも。永ちゃんは、やっぱサイコーだ。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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