副作用まとめ ~私が経験したホルモン療法の副作用~

私が受けたホルモン療法は、

 ○LH-RHアゴニスト製剤を2年間
  (4週間ごとにお腹に打つ、
   卵巣の働きを止める徐放性の注射)

 ○抗エストロゲン剤を5年間
  (1日1錠服用)

  ちなみに――

   LH-RHアゴニスト製剤は、

   ・ゾラデックス
    (一般名:ゴセレリン酢酸塩)
   ・リュープリン
    (一般名:リュープロレリン酢酸塩)

   などがあり、

   抗エストロゲン剤は

   ・ノルバデックス
    (一般名:クエン酸タモキシフェン)

   など、
   数種類の薬(後発薬含め)が出ている

副作用は、一般的には

『化学療法より少ない』

と、言われているが、
確かにそうだと思う

が、副作用は、
本当に個人によって出方が違う

ホルモン療法でも
つらさのあまり途中でやめる人もいる
 (女性ホルモンを止めるため、
  若い人の方がより強く出る傾向にある)

私もかなりつらい方で、
「やめる」「やめない」を
何度も主治医と話し合ったことがある

ちなみに私の副作用は――

  ○声が出しづらい(少しかすれる)
    治療を開始してから10日後、
    初めて感じた副作用だった
  ○すねの皮膚が
   火傷をしているように熱くなる
  ○朝の手の痺れ
  ○胸のむかつき
    治療終了後も含め6~7年間、
    24時間軽いつわり状態
    常時むかつきがあるため
    なにを食べてもおいしく感じられない
  ○体重減少
  ○熱っぽい
    微熱が1年ほど続いた
  ○動悸
  ○ホットフラッシュ、コールドフラッシュ
    1時間に十数回、
    激しいホットフラッシュと
    コールドフラッシュの繰り返し
    このとき、倦怠感や動悸、
    顔と頭が熱くなるのぼせも一緒に現れる
  ○ふわふわする軽いめまい
  ○不眠
  ○うつ
  ○生理が止まる
  ○復活した生理の大量出血
    7年間続く
  ○下腹部痛
  ○子宮筋腫
    ホルモン療法が原因かどうかは不明
  ○子宮が大きくなる
    ホルモン療法が原因かどうかは不明

...など、
とりあえず経験した副作用を上げてみた

逆に、言われている副作用の中で、
出なかったもの、
自覚症状がなかったものは――

  ○体重増加
  ○骨痛、関節痛
  ○じんましん、痒み
  ○肝機能障害、脂肪肝
  ○不正出血
  ○血小板減少

一番ひどかったのは、
やはり“ホットフラッシュだろうか”

あとはそれに伴う倦怠感や集中力の低下

それはまるで、“得体の知れない体調不良”

なんとも説明できないのだ

主治医に、
「副作用、どうだ?」と聞かれ、
答えに詰まったことがある

あまりにもたくさんのことが
一気に身体に起こりすぎて
説明ができなかった

そのとき主治医に、

「なんか具合悪い?」

そう聞かれ、

「あ、それ!!」

と、思ったことがある

ホットフラッシュは、
私は汗だくにはならなかったので
まだよかったが...

副作用真っ只中だった極寒の2月

外科外来の待合室で、
突如としてやってくる
ホットフラッシュの暑さに耐えられず、
ダウンジャケットを脱いだ

ダウンの中は、
季節を大きく逸脱した半袖

隣にいたオジサマに二度見される...

という経験もした

夜、布団に入れば、
ホットフラッシュが来る

寒くてストーブの電源を入れると、
まだ火も点かないうちに
ホットフラッシュがやってくる

火が点いたらすぐに消し...

極寒の真冬なのに、窓を開け...

カーディガンを脱いで、
薄着になり...

そうこうしているうちに、
今度は急激に
身体が氷のように
冷たくなったような感覚に陥る

ひどいときは、
1時間の間に十数回、その繰り返し

家族がいる居間にはいられず、
(ストーブの熱に耐えられなかった)

ほかの人と同じ部屋にはいられなかった
(あまりにも気温の体感が違いすぎた)

今、思い出しても、
本当にしんどかったなぁ...

“QOL”というけれど、
そんなものはなかった

「がんをやっつけるためには
 我慢しなければ...」

それしかなかった

深夜、眠れず、
「わーーーっ!!」と泣き叫びたくなって
部屋中の物を壊しまくりたい衝動に駆られ、
自分を傷つけようとする

布団に顔を突っ込んで、
「うーーーっ」と唸り声をあげながら、
そんな衝動にただひたすら耐える

服用してるタモキシフェンで
体がんのリスクがあるための
婦人科検診

産婦人科では
お腹の大きな妊婦さんや
小さなお子さんを連れたお母さん、
若いご夫婦...

その中にいる自分があまりにも
惨めで、場違いで、
逃げ出したくなる衝動を抑え...

劣等感を掻き消し...

流れそうになる涙を飲み...

子どもが産めなくなってしまったことも、

ショッピングセンターの
フードコートに行けば、
当然のことながら、
小さなお子さんを連れた、
たくさんのご家族がいて...

「わーーーっ!!」

と、気が狂ったように
その場から立ち去りたくなる

目をつぶり、耳を塞いで
しゃがみこんだこともある

しばらくフードコートには
近づけなかった

小さなお子さんを連れた家族を
羨まく思いながらも、
目にしたくなくて避けて歩いた

たぶん、“がん”という、うつ

そして、
ホルモン療法の副作用のうつが
複雑に重なりあっていたのだと思う

“がん”は身体だけではなく、
こうして心までも蝕むのだ

がん治療は、やっぱり簡単じゃない

自らこのような経験をしたからこそ、
そう思う

やっぱりがんをやっつけるのって、
そんなに簡単なことじゃない――

  今はつらくても
  その先に、必ず光は見い出せる

  私がそうだったように

  そして、多くのがん患者が
  そうだったように...

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Source: りかこの乳がん体験記

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