『たべる』って、やっぱり大切なこと。
食事を摂る。行為そのものも大切。一緒に食べる。って意味も大切。
食事を用意したり、介助したり。って、主語じゃなくても大切。
こんな『たべる』って、本当に大切。
『ザイタク』医療の生活再建において、
僕はいちばん大切だと思っている。
今日、退院されたお祖父さん。誤嚥性肺炎治療後。
食事がとれなくなって、ほぼ寝たきりになって、
『その時』の準備もあって、ご家族のお家に帰ってこられた。
退院直後の訪問診療時。挨拶をして、口の動きを観察。
呼吸状態も観察。仰臥位に寝続けることの弊害が見受けられ、
早速、体位ドレナージを開始。仰臥位から側臥位、腹臥位へ。
このあたりの介助をしながら、ご家族のご様子を観察。
僕の良くないところはここのスピードが速すぎるところ。
それでも、ご家族は一生懸命だ。あ~大丈夫だ。
彼自身の心も合わせて観察。15分くらい側臥位を観察し、
肩甲骨や背部のリラクゼーションをコッソリしてると、
胸郭運動が大きくなる。それに合わせ、彼の好きなコロッケの話。
お父さん、なんか食べたいものないですか?と続けて尋ねると、
「コロッケ食べたい。天ぷらも好きや。」と、声が出る。
それを聴いていたお嫁さんは、お父さん、やることないことなくて、
なんか挑戦できるんや!!って、さっきと違って、笑顔がでてくる。
ちょっと、氷のチップを持ってきてと頼むと急いで台所へ。
氷チップを、若干のベッドギャッジアップで、手で介助し、
口腔内観察を開始する。口腔内観察は、「たべる」支援では、一番大切。
僕は幸い歯科一族。口の中を触るのが得意なDNAがあるわけで((笑))
歯の状況は、歯科医治療の介入を要するレベル。
ケアマネさんに訪問歯科と訪問歯科衛生士をお願いする。
そこへ、お孫さんの登場で、お祖父さんの表情が変わる。
氷チップをお孫さんに介助してもらい、「たべて」もらう。
お孫さんを筆頭にご家族がお祖父さんの生活再建の夢が溢れ出す。
あ~これは行けるな。って実感するこのタイミングで、
やっぱり、「たべる」のは体を起こして、ベッドから離れ、
ちゃんとした椅子に座って、体幹をしっかりサポートして、するほうが良いです。
飲み込むことだけに、飲み込む為の筋肉を使うほうが良いでしょ。
体を支える筋肉の為には、ちょうどいい車椅子、そうティルト車椅子使いましょう。
その車椅子に乗り移るには、やっぱり、最初はリフトしかないんで。
移乗に、あんまりご家族も、もちろんご本人も、エネルギー使わん取ってほしいんです。
なので、介助用リフトが一番いいですよ。スススーって、移れますし。
今は「たべる」ことに集中して、お祖父さんの大好きな「コロッケ」目指しましょう。
って、お伝えしてるタイミングで、今度はうちのナースたちが、
側臥位を反対にするついでに、オムツ交換も始めてくれる。
そうなってくると、お祖父さんの目もパッチリと。
お嫁さんも、お顔拭いてあげましょうって、タオルを濡らして、
お顔を拭きながら、お祖父さんにお声がけ。
お尻に出来そうな床ヅレも、体全体をご一緒に観察して、
まずは清潔からだよねって、ご家族みんなの意識を統一する。
で、看護師らが足浴を始めようとしたそのタイミングで、
お祖父さんそろそろ座ってみようかと、ベッドギャッジアップで、
ソロリソロリと、端座位へ。バイタル等をコッソリ確認しつつ、
15分間のベッド上端座位。その間に、看護師とお嫁さんは足浴。
お祖父さんは、視界が良好で、お孫さん等の顔をしっかりと見られる。
お前たち今は何をやってるんや?と、大切なお孫さんたちを見るお祖父さんの目は、
今日一番のサイコロジカルヴィクトリー。さあ、ここからが僕らの腕の見せ所。
半年後のお祖父さんのお誕生日に、みんなで食卓で、「コロッケ」を食べましょう。
今日は、こんな感じの僕らのいつもの「たべる」支援の訪問診療だった。
こんな『たべる』って、本当に大切。
『ザイタク』医療の生活再建において、
僕はいちばん大切だと思っている。
3月16日(土)『第2回訪問リハビリテーションを話そう』トークショーがある。
詳細は少しずつ、お知らせしたいと思う。今作っているチラシをちら見せ
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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