3日間にわたり 患者の声を直接聞くというこの企画に;
糖尿病とともに生活する人々の声をきく
1. 何が、私たちをそれほどまでに悩ませるのか?(5/17)
2. 社会・生活の中で当事者が感じている課題とは?(5/18)
3. 私たちが願う新しい治療への期待(5/19)
ついにすべて参加しました.おかげでほとんどのシンポジウムは聴けませんでしたが,それでも満足です.なぜなら『これは希望が持てるかも』と思ったからです.
最後の日となる本日,会議室に入ってビックリ! 満員です.壁際には二重三重の立ち見の人までいました.
これは無理もありません.
初日は収容人員480人の B5ホールで行われ,それでも数十人の立ち見が出ました.
2日目は収容人員1500人の C5ホールでしたが,それでも2/3以上の入りでした.
つまり 昨日まで 毎回500~1000人の参加者がいたのです.
ところが最終日の本日は 収容人員200人の D5ホールですから,こうなりますよね.入室をあきらめた人も多かったようです.
企画した学会も まさかこれほどの参加者が毎日押し寄せるとは予想していなかったのでしょう.
最終日も活発な発言が相次ぎました.医師からの発言もありましたが,ほとんど患者からの発言でした.本日のテーマは『将来はこんな治療を実現してほしい』だったのですが,いずれも糖尿病ならなるほどと頷ける切実な願いが寄せられました.
この企画を 最初プログラムで見た時,患者が学会に招待されても 実際にどれくらい発言してくれるだろうか,と懸念しました.学会の雰囲気にのまれて萎縮してしまうのではないかと思ったのです.
たしかに各セッションで最初の内は 発言を求められてもためらっているようでした.ところが 3日間のどのセッションにおいても, 後半になると『私たちはこんな思いをしている』という発言が堰を切ったように次々と出てきました.いずれも 生の声であるだけに,その訴えは切実で説得力のあるものでした.これを聞いた会場の医師にも 強い印象を与えたようです.
しかし,冷静に考えてみれば,他に多数の専門的なシンポジウムがあるにも関わらず,このセッションの会場にわざわざ足を運んできた医師は,普段から糖尿病患者のスティグマに関心の深い『よくわかっている』先生でしょう.問題は,『患者の声を聴こう』とこの会場に来た医師ではなく,日本全国では 患者の声など聞こうともしない,患者が何を訴えようと右から左に聞き流す医師の方が 圧倒的に多いという現実です.
学会初日のシンポジウム1『Stigma and advocacy』で,基調講演をした 東大の橋本英樹先生は こう述べていました.
今回 学会が糖尿病のスティグマ解決のための第一歩を踏み出したことはすばらしいことだ. しかし,これはあくまでもスタートポイントに過ぎない. むしろ今後 これを継続していけるのか,それとも一時的試みに終わるのか,我々は 今『分水嶺』に立っている.
S1-1 糖尿病診療におけるアドボカシーの位置づけ 橋下英樹
そうです.こういうことは一回限りのお祭りで終わってはいけないのです.全国の医師に患者の声が伝わるまで続けるべきでしょう.
そう思っていたら,セッションの最後に 学会理事の綿田先生が締めくくりの挨拶で『この催しは 来年の第68回 岡山大会でも,再来年の 第69回 大阪大会でも行います』と 述べていました.
希望が持てます.今回参加できなかった方は ぜひ次回,次々回に参加して遠慮なく発言してください.
Source: しらねのぞるばの暴言ブログ
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