がんには不安がつきものだ
○再発の不安
○治療の副作用の不安
○薬が効いてくれるか
そして、家族のこと、仕事のこと、
経済的なこと...
一度がんになると、
がんのことが頭から消えない
ずーっと“がん”に囚われる
それはきっと、“再発する病気”だから
治療が終わっても“完治”とはいかない
何年経っても
再発の不安は消えることがない
5年のホルモン療法は長かった
経ってみれば早く感じたけれど
治療の終わりが
数か月後に近づいてきたとき、
「あぁ、やっとこれで
毎日の服薬から解放される」
と、思った
乳がんも終わりのような気がした
が、実際は違った
薬を飲まなくなることへの不安だった
「この薬が、
がんから守ってくれていたんだ...」
そう思うと、
もう守ってくれるものがないことへの
恐怖心が湧いてきた
長い治療が終わって安堵するどころか、
逆に不安が募ったのだ
手術から12年目に
1年に1度の検査のフォローが外れたときも
そうだった
「これで厄介な検査から逃れられる」
と、思うどころか、
「“乳がんは、
15年経っても20年経っても再発する”
というのに、
検査続けてくれないの?」
そう思った
実際、主治医にも、
「15年経っても
再発することがあるので、
検査は受けてください」と
言われた
フォローが外れると、
自治体の検診や人間ドックで、
自ら受けることになる
が、
マンモグラフィと
肺に転移がないか調べるために
肺がん検診を受けるのが関の山
“乳がんは、
骨にも脳にも肝臓にも転移しやすい”
と、言われているが、
さすがに
人間ドックを受ける経済的な余裕は
私にはない
時が経てば、告知を受けたときや
つらい治療の記憶は薄らいでいく
が、“がん”という記憶は消えない
そして誰もがどこかに
“再発”という不安を抱えている
みんな元気に見えるけれど、
そんな思いが胸の奥にあるのだ
だから、
がんと闘っているひとたちの笑顔は
優しいのだと思う
がんを乗り越えたひとたちの笑顔は
輝いているのだと思う
そんな笑顔の裏に隠されているのは、
たくさんつらい思いをしてきた涙
誰もが通ってきた“経験”
そしてその“経験”は
今の、これからのひとたちの
生きる力になっていくのだろう
それは、医師より看護師より、
がんの専門家より、
誰よりも心強い“がんの先輩たち”なのだ――
朝の気温、5.2℃
窓にはしっかり結露ができていた
が、日中は22.3℃
季節外れの、
暖かい9月最終日となった
そんな空には...
風が強すぎる日の雲は、
いつも不思議な形状をしている
まるで絵画のようだ
そして一日の終わりには...
きれいな夕空
つるべ落としの秋だ...
あしたの気温は26℃の予報
暑い10月のはじまりとなりそうだ
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Source: りかこの乳がん体験記
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