一日遅れのクリスマスプレゼント。

医療機関

痛みが強すぎるあまり、不安と痛みで、

病院からすぐにでもお家に帰りたいと、

思われた、がん終末期の男性患者さん。

 

 

患者さんの人生を大切にしたいから、

僕らはお正月休みなんて関係ない。

 

急性期病院の病棟看護師さんらが、

患者さんの穏やかな暮らしに想いを馳せてくれて、

年末のこの時期に、それでも、なんとかして、

お家に帰して、少しでも不安を解消してあげたいと、

必死な気持ちで、僕らに繋いでくれた。

 

 

もちろん、僕らは退院されたその日に訪問する。

 

在宅医療と病院医療の狭間に落ち込んで、

残された人生を台無しにしてしまうことを、

何度も見聞きしてきた。医療者の怠慢はアカン。

こんな地域連携ではダメやと思っていた。

 

だから、

 

こんな必死の病院の挑戦には、僕らも全力で応じたい。

病院から情報提供があったら、その日のうちに対応する。

これが僕らの在宅医療のスタンダード。

 

 

 

お家になんとか辿り着いたお父さんは、

リビングに倒れこむようにして寝ころばれていた。

痛みが強くなって、不安でいっぱい。

急いで、症状緩和していく必要があった。

 

なので、ゆっくりお話しを聴くことにした。

 

しばらく、激しい口調も続いたが、

お話しを聴いているうちに、穏やかに。

もちろん、医療用麻薬も再調整。

 

こんな感じでここ数日は穏やかな日に。

 

 

 

そんなお父さんだが、いよいよの時が近づいて。

お薬では如何ともしがたい、不安が強まってきた。

 

今朝3時、奥さんから助けて下さいとお電話があった。

奥さんの必死の介助も空しく、お薬を飲まれないそうだ。

早速お家に伺うと、お父さんがにこやかに手を振られる。

 

こんな夜中に、すまんことやのう。

もう大丈夫や、お薬飲んだし、

こいつ(妻)も優しくしてくれる。

 

良かった。今度は、言うこと聞いて、

優しい奥さんのお薬飲んでくれたんですね。

病院の看護師さんも、心配しておられましたよ。

 

お家で穏やかに暮らせてる。

大好きな奥さんを大事にしてる。

お薬もちゃんと飲んでくれてる。

これら3つ、全部、バッチリ。

って、伝えておきましたよ。

 

こう話すと彼は、

 

もう一つだけ、ちゃんと言っといてくれ。

 

こう話され、少し間をおいて、、、

 

あんなあ、、、

センセイダイスキヤ~~~。

これも、伝えといてや。

 

患者さんからの一日遅れのクリスマスプレゼント。

涙が出るほど嬉しかった。メリークリスマス❤

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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