「乳がんの手術、治療後、
身体も生活も元に戻っていますか?」――
「じゃあ、行ってきます」
そう、父と母に明るく手を振り、
私は手術室の中に入っていった
看護師たちがガチャガチャと器具を揃え
慌ただしく動いている
私の胸につけられた心電図が
不整脈の音を発しても、
看護師は誰一人として見向きもしない
どうやらこれくらい、
どうってことはないらしい
「これから麻酔をしますね」
頭の上で、麻酔科医の声が聞こえた
頭がボーっとした
その瞬間、私は落ちた
「佐藤さん...」
誰かが遠くで呼ぶ声がする...
麻酔科の先生の声だ
『あぁ、終わったんだ...』
意識が戻った途端、
途轍もない寒気と吐き気に襲われる
「寒い...。吐き気がする...」
そう話そうとしたが、
声が出ない
全身麻酔による気管挿管の影響で
声が出なくなっていたのだ
その瞬間から、私の身体は変わった
手術の傷の痛み
腋窩リンパ節郭清による、
腕の運動障害
なにより、
その後はじまったホルモン療法では、
心も身体も
自分のものではなくなった
私の体調は元には戻ることはない
波はあるものの、
ずっと悪いままだ
当然のことながら、生活の質も落ちる
仕事も
これまでのようにはできなくなった
すべてが変わった
そのすべてが
元には戻らないまま
ほかの方たちを見ていると、
とっても元気にしているひともいる
「痛くないのかな」
「体調、悪くないのかな」
「治療の影響、ないのかな」
そう思うことがある
が、やはり多くのひとたちが、
「体調が悪い」
「何年経っても手術の傷痕が痛い」
そう語っている
「みんな口にはしないだけで、
なにかを抱えているのだな...」
それが、“がん”ということなのか...
みなさんは、がんを経験してから
元の元気な身体に戻っていますか?
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Source: りかこの乳がん体験記
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