変わるこの世界でもいつだって共に。

医療機関

今年もまた研修医がやってきた。今年は4人お越しだ。

いつものように、新医師臨床研修制度の話から始める。

僕が医師になったのは1998年4月。その年の夏の物語。

 

 

どの研修医の反応もいつも決まっている。初めて知りました。

おそらく、このことがもとで、医師として一人前になる為の、

研修制度が出来上がったなんて、ほとんどの医師は知らない。

 

僕ら医師は、真実に蓋をし次に進む。

サラリとやってしまう悪い癖がある。

目の前の患者は、一人じゃないんだ。

そこで感傷にふけっている暇はない。

次の患者が待っている。立ち止まるな。

 

研修医時代救急場面でよく言われたものだ。

 

 

でも、それで本当にいいのだろうか?

 

おにぎりピッ!のコンビニ医療はしたくない。

出逢ったお一人お一人の患者さんの人生の傍にあり、

暮らしの支えになる双方向のザイタク医療がしたい。

 

1998年夏。同級生森大仁君が死に研修制度が大きく変わった。

同級生森大仁君は、本当に真面目で患者さん想いな医師だった。

今生きてたら僕らと同じ様に地域医療の中核を担っていたはずだ。

きっと彼も、おにぎりピッ!って言う、患者さんご本人の名前やない

バーコードコンビニ医療を見た時、目指すのはこれではないんだ。と、

一緒に言ってくれる気がしている。

 

 

もう一度研修医をしたとしても、

僕は、またこの道を選んでいる。

 

患者さんと双方向で作り上げるザイタク医療を。

変わるこの世界でもいつだって患者さんと共に。

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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