【御礼】ブログ開設1周年

健康法

気が付けばもう1年

早いもので,このブログを開設してから本日でちょうど1年たちました.

(C) TAKAPONS さん

それまでは 江部先生のブログホリデー様のブログにコメントしておりました.特にブログ開設の際には,ホリデー様がアナウンスしていただいたため,まだ記事も上げていないのに,ものすごい数のアクセスがあり,本当にビックリしました.

アクセス記録から

本日までのアクセスログを管理サーバーで見ると,

延べ訪問者 52,000人
PV累計 563,700
延べ訪問回数 132,600

と,多くの方々に訪問していただきました.あらためて御礼申し上げます.
世の中には1日で100万PVを稼ぐところもあるので,このブログなどささやかなものですが,それにしてもほぼ2型糖尿病の情報限定なのに,まさかこれほどたくさんのアクセスをいただけるとは予想できませんでした.

糖尿病の情報は豊富か

Googleなどで『糖尿病』のキーワードで検索すれば,1億2900万件以上がヒットします(2020年3月6日現在).しかし,その大半はほぼ内容が同じであって,ユニークな情報となると非常に限られています. これは私が自分の糖尿病リスクに気づいた時に,ネット情報を漁ってみた実感です. また,情報量は多くても,ほとんどは概論・一般的な解説であって,個々の症例,特に「現在の自分の状態とまったく同じケース」はいくら探しても見当たりませんでした.
そのような情報は,実は学会発表や医学専門誌に掲載される論文を読むようになってようやく見出したのですが,こういった情報はほとんどネットや一般書籍の世界ではほとんど流通していません. ときたま新聞紙上などで,センセーショナルな見出しを付けて報道されることもありますが,学術報告の原文と照らし合わせてみると,一部を誇張していたり,はなはだしくは論文と正反対の印象を与える文章であったりと,まったく信頼できないことがほとんどでした.

情報の整理箱

したがって私の情報源は,もっぱら糖尿病についての医学文献,特に欧米の文献に頼ることにしました.勤務の合間に多数の文献を集めてはいましたが,時間がなくて中途半端に斜め読みしていた文献も,宮仕えから解放されて時間の余裕ができたため,じっくりと読めるようになりました.このブログは,しらねのぞるばが自分なりに解釈して我流で分類したものを整理してきた記録です.

(C) bBear さん

ところが,いざ記事を起こしてみようとすると どうにも論旨や結論が定まらず,立往生することが何度もありました.それは;

自分ではわかっているつもりだったが,実は理解があいまいで 単にわかったつもりになっていただけだった

すなわち,「わかっていたつもりでわかってないということが,よくわかった 」,これがブログを始めた最大の収穫でした.

医学は科学

欧米文献は 人種の違いなどから,「これは日本人には当てはまらないな」と思うことも多いのですが,何より欧米医学誌は,

  • データが詳細であること
  • 文献批判があること

から,時間を割いて読むだけの価値があると思います. 特に後者の「文献批判」,すなわち一方的な断定・主張ではなく,かならずそれに対する反論・異論もまたオープンであることが欧米科学の伝統です.重要な文献であればあるほど,それに対する Response,つまりブログ記事への「コメント」にあたるものが掲載され,時には侃侃諤諤の議論が沸騰することもあります.

その実例は,2012年,British Medical Journal(BMJ)誌に『低炭水化物・高蛋白食は心疾患発症率が高くなる』と題して発表された論文で,日本の新聞・テレビは,たかがA4で8頁ほどなのに,この論文の本文を読まず,ただ著者の結論だけを受け売りして大々的に報道したのでご記憶の方も多いでしょう.しかし当時 私はこの論文に対する世界の医学者からのコメント(Response)を読んで愕然としました.論文掲載直後に,論文本文の頁数を上回るほどの反論が出され,それは今も続いています.

この論文の題名と結論は、私の専門的な意見では,誤解を招く まったく不適切なものです”

ところが こういった情報は日本では,特に日本のマスメディアではまったく報道されません.日本で報道されないことなら,なおさら そこを強調するのが このブログの使命と思っています.

欧米崇拝ではありません

欧米の情報なら 必ず信頼性が高いかといえば,もちろんそんなことはありません. 欧米は,特に米国は『医療もビジネス』です.金になるなら,どんな本でも出版されますし,いかにも医学文献を装って,有料のサイトに誘導する巧妙な情報もあります. ただし そのような情報は,一見医学用語を多数並べていても,

  • あたかも完璧であると思わせる
  • 自分に不利なことは一切言わない

ことで見分けがつきます. 科学者であれば,どんなにすばらしい新発見だと思っても,必ずそれに対するアンチテーゼ(=自分はこう信ずるが,しかし別の見方ではこの結果は別の解釈もできるのではないか)を自分自身で冷静に検討します. それがいささかも見当たらないのであれば,それは科学論文ではなく,似非科学又は詐欺だと思っております.

コメントを歓迎します

ブログタイトルに『暴論』とつけたのは,以上の考えからです.コメントは賛否どちらでも歓迎です. 反対意見のない進歩はありえないと思っております.また公開は望まないが意見は言いたいと思われる方は,『お問い合わせ』フォームからお寄せください.しらねのぞるばに直接のeメールとして届きます.

このブログをいつまで続けられるかはわかりませんが,これからも以上のスタンスでブログに書きなぐっていく予定です.

しらねのぞるば拝

Source: しらねのぞるばの暴言ブログ

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